デビット伊東、とんねるずの“ひと言”でラーメン修行へ!「芸人を続けるか悩んでいる時期でもあった」
ヒロミさんとミスターちんさんと3人で結成した「B21スペシャル」として多くのテレビやライブに出演し、人気を博したデビット伊東さん。1990年代後半からは個々の活動も多くなり、デビットさんは俳優としても注目を集めることに。
俳優として衝撃的な役柄にチャレンジ
1998年、デビットさんは、ドラマ『聖者の行進』(TBS系)に出演。純粋な心をもつ知的障がい者が性的暴行をされていたという、実際にあった事件を基にしたドラマで、その衝撃的な内容が話題になった。このドラマでデビットさんは、障がい者に暴力を振るい虐待を繰り返す役を演じ、視聴者を震えあがらせた。 ―『聖者の行進』のデビットさんは強烈でしたー 「本当に申し訳ない。でも、申し訳ないという気持ちで演じたことは1回もないんですけど、あの時期にNHKで子ども番組をやっていたので、そこの子どもたちの背景が見えたのが、やっぱりつらかったですよね。障がい者のお客さんもいっぱいいたので。 でも、そのときに勇気づけられたのが、普通だったら、『ふざけるな! ひどいことをやって』とかって言われると思うんですけど、『ありがとうございます。感謝しています』って言われることが多かったんですよね。 それは、僕たちには見えないけれど、障がい者に対する虐待行為が本当にあるんだっていうことなんです。『あそこまでやってくださってうれしいです』って言われましたからね」 ―障がいがあったり、立場の弱い人は守らなければいけないというのが普通だと思いますが― 「でも、ドラマのなかでかなりひどいことをやっていましたけど、実際にあるんですよ。普通にあったんです。それを世間に知ってもらうきっかけにはなったのかなって」 -すごく迫力があって怖かったです- 「ほかの人がやるんだったら僕にやらせてくれって思っちゃうんですよね。障がいがある方の背景も含めて、悪い人を演じるんだったら、陰湿的なものでもなんでも僕に演じさせてくれって、本音では思っていますね、ずっと。僕が全部クレームを買うからって。 『聖者の行進』のときにディレクター、プロデューサー含めて全員に言っていたのは、『早く殺してください』って(笑)。 最初は、3話くらいで殺されるはずだったんだけど、結局、7話まで延ばされましたからね。もう暴力を振るう手がないんですよ」 -『聖者の行進』の反響は大きかったでしょうね- 「すごかったですよ。いまだに言われますもん(笑)。そのとき見ていた若い子たちは、直立不動になって言いますからね、『聖者の行進見ていました』って(笑)」 -このドラマをやったことで、悪役の依頼が多くなったということは?- 「たしかに。思ったことはないですけど、そうかもしれない。多いというよりも、いくつか役が来たときに、自分が選ぶのは悪い役が多いですね。 悪役のほうがおもしろいし、役者をいじめたくなるのかもしれない(笑)。今は役のなかで遊びはじめちゃうので、僕は。 だからこそ、『普通にセリフを言っているだけでいいの?』って思うのかもしれない。『段取り通りのセリフでいいの?』って思っちゃう。ちょっと変人なんですよね(笑)。 リアクションが見たくなっちゃうんですよ、相手の。それで、すごくいい感じだと、『今撮って、今いいリアクションしている』って(笑)」 -それに対応できる人と対応できない人がいると思いますが- 「できない人は目も合わせないです、僕と(笑)。僕もリハーサルをやっているときにムリだってわかったら、スーッとそのまま段取り通りにやっちゃいます。 でも、遊びたくなっちゃうんですよね。素晴らしい人だなあって思うと、どんどんどんどん遊びたくなってしまう。相手のリアクションが見たくなっちゃうんですよね」