丁寧に作業をする参加者＝伊豆市修善寺の紙谷和紙工房

　静岡市清水区の三保松原を保全する一般社団法人三保松原3ringsプロジェクトと、松坂屋静岡店（同市葵区）に今秋出店するアパレルブランド「MOTHERHOUSE（マザーハウス）」などが、内装制作プロジェクトを始動した。23日、内装に使用する「みほのまつがみ」を作るワークショップを伊豆市修善寺の紙谷和紙工房で開き、参加者は丁寧に仕上げた。 　みほのまつがみは、同法人が三保松原の保全活動の松葉かきで回収、廃棄する枯れ松葉を再利用しようと開発した紙ブランド。 　ワークショップには家族連れなど10人が参加し、和紙職人から和紙の原料となるミツマタやコウゾの畑を見学した後、紙すきを体験した。職人の補助を受けながら、水槽の中ののりを専用の道具ですくった。松葉かきに参加したことがあるという高橋美佐紀さん（50）＝静岡市駿河区＝は「均等になるよう紙をすくのは難しかった。出来上がりが楽しみ」と声を弾ませた。紙は脱水と自然乾燥を経て1週間後に完成する。 　完成したみほのまつがみは、県内初出店となるマザーハウス静岡店のレジカウンター壁の装飾に利用する。広報の神村将志さん（38）は「地元に根差したものや技術を新店舗に生かしたいと思った。みなさんが作った紙による内装を見に来てほしい」とした。開店は10月30日。