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伐採まで30年、成長の早い次世代スギ開発 佐賀県林業試験場

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佐賀新聞

 成長の早い次世代スギを佐賀県林業試験場(佐賀市大和町)が開発した。通常、伐採まで約45年かかるものが約30年で育つなど経済性に優れ、林業で最も重労働で経費もかかる下刈り作業の期間も短縮される。県内の人工林は木材価格の低迷から「切り控え」の状態にあり、今回の新世代スギの導入で、県内の森林資源の活用が進むと期待されている。  次世代スギは、植えて3年目の樹高が4・2メートルあり、通常は2メートル超える程度という普通のスギの1・5~2倍近く成長する。  また、現在のスギで重視される花粉症の発生量も、一般的なスギよりかなり少ない。成長が早い一方、強度は十分にあるといい、同試験場では「三拍子そろったスギ」と説明する。  通常、スギは植えた苗木が樹高2、3メートルになるまで5年、5回ほど下刈りが必要だが、次世代スギでは、これが3年3回で済む。下刈りは真夏の過酷な作業で離職の大きな原因。育林経費の3分の1とコストも大きく、「次に植林する経費が出ない」と森林所有者が伐採をためらうネックとなっていた。  同センターでは現在、成長の早い次世代スギのメリットを生かした林業経営モデルを構築中。主伐まで30年を想定し、植える本数が従来の6割で済むなどとし、育林全体にかかる経費の3割の削減を目標にしている。2022年3月には一般向けに次世代スギの苗の販売を始める予定だ。  県内の森林資源は樹齢50年前後が最も多く8割は伐採期を迎えているが、木材価格の低迷からほとんどが利用されていない状況だ。担当する林業試験場の江島淳特別研究員は「昔の先輩方の取り組みのおかげで、優秀なスギが提供できる。今回のスギの導入を契機に伐採が進み、循環型の資源として県内の森林が活用されればうれしい」と話している。  次世代スギ  県林業試験場では、全国に先駆けて1965年から優秀な品種同士を交配して1万3千の新個体を作出。この中から選抜したクローン(挿し木)109個で県内7カ所に試験林を設け育成した。2015年、この中から次世代スギ精英樹として6クローンを選抜し、総合的な評価を行ってきた。

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