台風に備え 食品・飲料の買いだめ需要を予測 日本初の在庫最適システム
台風の本格シーズンを迎えた。昨年の発生個数は29個に達し、被害が大きかったのは第15号の暴風と第19号の大雨だった。スーパーマーケットやコンビニエンスストアでは食料品や防災関連商品の需要が一気に高まり、昨年は上陸寸前に各地で欠品が相次いだことは記憶に新しい。 台風シーズンになる毎年関心が高まるのは小売店、メーカーの需要予測だ。食品・飲料を、いつごろからどの程度製造・仕入れたらいいのか。台風や地震など自然災害によって、消費者の需要が突発的に高まるのは世の中の常で、タイミングや商品の売れる量、来客数の増減などを店舗や企業ごとに予測することは神業とも言える。 こうした中で気象データベースやビジネスデータの分析結果をもとに、商品の需要予測や発注支援、プロモーション支援、販売・生産計画などウェザーマーケティングサービスなどを展開するウェザーニューズ社は、このほど台風シーズンに備えて、小売・製造事業者向けに荒天時における商品の急激な需要変化を予測する日本初の在庫最適化エンジン「PASCAL(パスカル)」を開発した。このシステムを使えば、台風接近の数日前からの売れ筋商品、売れるタイミングや量が予測でき、食品・飲料の廃棄ロスや発注のチャンスロスが軽減できる。 同社は、「PASCAL」をプロモーションや荒天時の計画配送、計画生産など製造、小売業に向けのシステムに搭載し、様々なサービスに展開しているほか、自動発注システムとの連携も計画している。小売・製造事業者のビジネスデータや既存システムと気象データ連携させることで、収益を高め、廃棄ロスの最小化、気候変動リスクへの適応を目指している。