ノーステップ打法でプロ初打点を手にしたオコエの驚異の進化
楽天のオコエ瑠偉(18)が1日、Koboスタ宮城で行われた阪神戦との交流戦で2試合続けて「9番・センター」でスタメン出場、その第2打席にプロ初打点をマークした。 阪神の変則サイドハンドの青柳の球筋に翻弄されていたが、4回二死二塁、カウント2-2から、なんとノーステップ打法で、外の変化球に対応、センターの右へのタイムリーヒット。しかもセンターの打球の追い方を見て、一気に加速、セカンドを陥れた。阪神の中継のボールはセカンドまで返らなかった。オコエが昨夏の甲子園で何度か披露したセンター前ツーベースを、プロの世界でも再現してみせたのである。 「ツーストライクに追い込まれてからファームでの経験が生きた。横浜DeNAの久保さんと対戦したとき、クイック投法に合わせるため、ノーステップ打法を覚えた。走塁は、シングルヒットでもオーバランをして野手の動きを見て隙があれば次を狙おうと思っていた」 オコエ自身が、ノーステップ打法&センター前二塁打の背景を説明した。 横浜DeNAの久保は、球界屈指のクイック投法の使い手で、走者がいなくとも1球、1球タイミングを外す。2軍調整中の久保とたまたま対戦したオコエは、そこでクイック対策を体験したのである。 ツーストライクに追い込まれてから、ノーステップに打法を変えるのは、ロッテの角中、清田らの専売特許。彼らは、この打法を貫き3割をマークしている。先輩たちのいいところを盗み、それを自分の技術として落としこめる対応力の高さ、野球選手のとしてセンスが、オコエの非凡な部分。常にポジティブに向上心を失わない姿勢が、オコエの驚異の進化の土台になるのは間違いない。 オコエが2軍で覚えてきたのは、これだけではない。グリップの位置を下げ、極端なダウンスイングではなく、逆にアッパー気味にバットを出すようにイメージしてきたことで、バットの出がスムーズになった。加えて、追い込まれるまでは、左足を挙げての動作の準備も早くなった。