パッケージデザイン商標登録 大聖寺実高生考案 温泉ハンドクリーム
大聖寺実高の生徒が2年前に考案した加賀市片山津温泉の源泉を使った「温泉ハンドクリーム」のパッケージデザインが、19日までに商標登録された。同校は生徒の就職を見据え、知的財産権の学習に力を入れており、授業の一環で2019年10月に特許庁へ出願した。生徒や教員は1年越しの登録を受け、加賀温泉郷のさらなる魅力発信につなげたいと意気込んでいる。
ハンドクリームは2019年9月、情報ビジネス科3年生だった福本樹里さん、竹田佳奈さん、東田紗羅さんが課題研究の授業の一環で開発に取り組んだ。化粧品メーカー「ケイズ」(金沢市)が商品化に協力した。
商品はオレンジとグレープフルーツの香りを取り入れた爽やかなかんきつ系に仕上げた。商標を登録したパッケージは香りと温泉らしさを表現しようと、オレンジを湯船、葉っぱを湯気に見立てたデザインとなっている。
大聖寺実高は知的財産権の学習で座学だけでなく、実務経験も積んでもらおうと商標登録を進めた。3人は県発明協会(金沢市)に問い合わせ、区分やコードを調べるなど、通常は弁理士が担う業務を全て自分たちの手で行って出願し、昨年3月に卒業した。
ハンドクリームは1個500円(税込み)。片山津温泉の旅館「湖畔の宿 森本」や雑貨店「パンデミコ」などで取り扱っている。
商標登録されたのは入浴剤「加賀三湯(さんとう)ゆめぐり」に続き、同校では2例目となる。今年度の3年生は山中温泉の源泉を使った「ハンドジェル」を考案し、昨年秋に商標登録を出願している。
3年の田中心さん(18)は「知的財産権を勉強したからこそ、申請が通った先輩方のすごさを改めて実感した。自分たちが進めた申請も通ってほしい」と話した。
北國新聞社