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AIでローカル5Gの通信トラフィックを数十ミリ秒で自動分析、NECが新技術開発

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MONOist

 NECは2020年5月19日、ネットワークの分析手法を学習したAI(人工知能)によってローカル5Gの通信分析プロセスを自動化し、通信の混雑や競合による品質劣化をリアルタイムで回避する学習型通信分析技術を開発したと発表した。 自営ネットワークにはネットワーク分析の専門家がいない場合がある[クリックして拡大]出典:NEC  現在、通信キャリア以外の事業者が独自の5G基地局を設置して、エリア内での高速かつ大容量、低遅延の通信を可能にするローカル5Gに注目が集まっており、各企業や自治体が導入の検討を進めている。ただし、ローカル5Gの特徴を十分に生かすには5G基地局や機器を単に設置するだけでなく、5G基地局から接続先のサーバまでの通信混雑や競合を回避する努力が求められる。それにはネットワークの専門家が必要となるが、ローカル5Gのような自営ネットワークの運営主体には適当な人材が存在しないケースもある。また専門家がいる場合でも、通信劣化が発生するたびに通信状態の分析や速度調整を数日かけて行わなければならず、時間を要するという課題があった。  こうした課題解決のためにNECが開発したのが自動かつリアルタイムで通信状態を分析、調整する学習型通信分析技術だ。  最大の特徴は、通信トラフィックの分析プロセスを大きく分けて2段階で行う点だ。まず第1段階では、連続的な値で構成される通信トラフィックを量子化することで離散値に変換し、ノイズなどを可視化して除去する。第2段階はクラスタリングと呼ばれる工程だ。離散化したデータから類似のパターンを集めて学習して、通信量や動画や静止画、テキストデータなどの通信種別を推定する。量子化でノイズなどを除去してデータの計算量を低減することで、クラスタリングを数十msと高速で実行できるようにした。  量子化とクラスタリングのいずれの作業も、教師なし学習をベースとしたAIが自動的に処理する。また、このAIは通信分析を通じて作成した推定モデルを過去のモデルと比較して、従来になかったパターンを発見すると、それを新たにモデルに追加してミリ秒単位で更新する。教師あり学習の場合には基地局の設置環境や通信の利用状況が変わるたびに膨大な教師データ(学習用データ)を用意しなければならないが、こうした手間も省力化する。  NECは「学習型通信分析技術はローカル5Gだけでなく、幅広い事業者が手掛けるネットワークの最適化を容易にする技術として展開し、柔軟で安心な通信インフラの簡単、迅速な実現に貢献していく」とコメントしている。

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