Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

森田健作千葉県知事、菅義偉総裁は戦友…アクアライン値下げ尽力「義理人情」「ぶれない」

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
スポーツ報知

 自民党の新総裁となった菅義偉官房長官(71)の信条の1つは地方分権の推進だ。横浜市議を経て総務相、官房長官などを歴任し、安倍政権で国と地方の課題にも取り組んだ。大阪府市再編を進める「大阪都構想」では、元府知事の橋下徹氏(51)らと政党を超えた「絆」がある。各地の首長には“菅チルドレン”も多いが、千葉県の森田健作知事(70)は国会議員時代から1つ年上の菅氏と20年以上の親交があり、国とのパイプを県政運営に生かしてきた。(久保 阿礼)  森田氏は92年、自民党の参院議員となり、菅氏は96年に横浜市議から衆院議員となった。年が近いことから顔を合わせれば、話をする仲になった。「国政で同じ課題に取り組んだりしてね。口数は多くないけれど、一緒に戦ってきたから」  2005年の千葉県知事選で敗れ、09年に再挑戦した際、公約に掲げたのは、東京湾アクアラインの通行料金800円(普通車ETC利用)への引き下げだった。当時は2320円(同)と高額で通行量は少なく、財政負担も課題だった。  初当選から2日後の3月31日、首相官邸。公約を実現すべく官邸へと乗り込んだ。旧知の麻生太郎首相(当時)と顔を合わせ「頼みます。アクアラインを800円に値下げしてほしい。土下座でも何でもしますから」と直談判した。険しい表情の麻生首相は「健ちゃんね、そんなことできるわけねえじゃねえか」と一蹴した。それでも「誰も使わない道路なんていらないですよ。国の責任でぶっ壊してくれ」と食い下がった。  その会談に同席していたのが、菅氏だった。政権幹部は森田氏の熱意に押され、所管する国土交通省に値下げが可能かどうか検討するよう指示した。「菅さんがいろいろと相談に乗ってくれて、最後は麻生さんが決断してくれた」  2か月後。「やった。実現したぞ」。周囲にそう伝え、握り拳を作った。大幅な値下げにより、アクアラインの通行量は増え、観光名所になった。周辺の木更津市などでは人口が増え、小学校や大型商業施設も建設された。今も政権の中枢にいる2人から強力な後押しを受けた。  菅氏との関係は民主党政権になっても変わらず、2012年12月に自民党が政権を奪還。菅氏の官房長官就任が決まると、森田氏は「お祝いしよう」と声を掛け、互いの妻を伴って4人で会食した。和やかな時間を過ごした。突然、「ラーメン、食べに行こう」と言われ、驚いたこともあった。警備の関係で難しかったが、今でも多い時で月2~3回は食事をして、様々な意見を交わす。  地方自治体が独自の政策を進めようとした際、財源や規制など「国の壁」にぶつかることがある。菅氏は、「選挙の鬼」(周辺)であると同時に、情熱を持って汗を流す改革者を好む。料金が高く、利用者が一向に増えなかったアクアラインをどうするか。現状打破を目指すその姿勢に、共感したのか。森田氏は言う。「菅さんは地方の実情を良く知り、組織を動かす力がある。義理人情を重んじ、ぶれない。これからの菅政権が楽しみだよ」  ◆東京湾アクアライン 1997年12月18日開通。東京湾のほぼ中央を横断し、川崎市浮島と千葉県木更津市を結ぶ15・1キロの自動車専用道路。中央部には駐車場や飲食店などが集まるパーキングエリア「海ほたる」がある。当初は4000円(普通車・通常料金)で、通行量は想定の4分の1以下だった。総事業費約1兆4400億円。  ◆森田 健作(もりた・けんさく)本名・鈴木栄治(すずき・えいじ)。1949年12月16日、東京都大田区生まれ。70歳。明治学院大中退後、芸能界デビュー。71年、「おれは男だ!」(日テレ系)が大ヒットするなど俳優として活躍。参院、衆院議員を経て09年の千葉県知事選で初当選。現在3期目。

報知新聞社

【関連記事】