チェンジシャフトからオイル漏れ「分解せずに部品交換」が可能なの!?
新オイルシール外周へは液状ガスケット塗布
オイルシールホルダー部分とミッションシャフトの摺動部分にキズが無いことを確認しながら、各部をパーツクリーナーで洗い流しエアーブローしよう。オイルシールを圧入する際には、外周に液体ガスケットを塗布することで、オイルシールがホルダー部と滑って押し込みやすくなる。液状ガスケットが乾燥すればシール性が向上する。 ────────── POINT ポイント1・特殊工具は別の使い方も可能な便利工具と考えよう ポイント2・DIYでボルトを削って自作するツールなら、何度も作り直しが可能になる ポイント3・新品オイルシールの組み付け時は、液状ガスケットの塗布によって滑り特性を高めてから圧入するのが良い ────────── 各種シャフトのオイルシール部から、オイル滲みやオイル漏れを発見したら、可能な限り早急に処置したいものだ。オイル漏れを知りつつ放置してしまったことが原因で、思いもよらなかったトラブルに遭遇してしまうこともある。例えば、タイヤのトレッドに付着し、すってんコロリン……といったお話しも過去にはありました。 スペアのオイルシールが手元に無ければ、まずは部品のオーダーから始めよう。そして、納品されたオイルシール形状をしっかり確認してみよう。仮に、通常の平べったい筒型オイルシールならラッキー!!エンジンパーツを分解しなくても、筒状のオイルシール形状なら「外部から引き抜き可能」で、もちろん交換することもできる(部品のレイアウトによっては物理的に引き抜けないケースもある)。「フランジ付きオイルシール」といった部品も中にはあり、オイルシールのエンジン内部側にフランジがあるため、一般的な筒形状のオイルシールのように外側へ引き抜くことができないケースもある。 キックスピンドル(キックシャフト)のオイルシールがダメになっていたら、一般的にはキックアームを取り外し、キックスピンドルが貫通しているエンジンカバーを取り外し、カバーに圧入されている「オイルシールを抜き取って交換する」といった手順になるはずだ。状況によっては、エンジン内部のオイルを漏らさないように、カバーを取り外す前に、あらかじめオイルを抜き取らなくてはいけないケースがあるかも知れない。 しかし、一般的な筒型オイルシールならば、前述したようにエンジンを分解しなくても、オイルシール交換が可能なケースも多々ある。具体的には、旧いオイルシールを引き抜き、新しいオイルシールを慎重に組み込む、といった手順である。過去に何度もこの方法でオイルシール交換を実践してきた経験があるが、ここではオイルシールを引っ掛ける特殊工具の自作方法をリポートしよう。ボルトを用意して、ディスクグラインダーで削ることで、立派な「自作特殊工具」を作ることができるのだ。 実作業に当たっては、オイルシールを引き抜いたとたんにエンジンオイルが流れ出てしまうケースもある (オイルシールのレイアウトによっては)。作業前にオイルシールが上向きになるように、ハンドルバーエンドを机や柵などに引っ掛けて、オイルシールの向きを考えながら作業進行するのが良い段取りだ。
たぐちかつみ