【Q&A】「緊急事態宣言」解除 どう判断?
Q:「ステージ3」って何?
新型コロナウイルス対策を分析し、政府に提言する分科会(会長・尾身茂氏)は各都道府県の深刻度合いを4つの「ステージ」に分け、最も深刻な「ステージ4」が「緊急事態宣言を出す時期と理論的に言える」(尾身会長)などとしてきました。 そして「ステージ3」は「ステージ4」にならないための対策を講じるステージと位置付けられてきました。
Q:何をもとに「ステージ」が決まるの?
「ステージ1」と「ステージ2」は、それぞれ「感染者の散発的発生」「感染者の漸増(ぜんぞう)」と表現されていますが、具体的な指標がありません。 「ステージ3」と「ステージ4」は感染状況と医療提供体制の深刻度を測るため、6つの指標があります(※図を参照)。このうち(1)PCR陽性率10%以上(2)直近一週間が先週一週間より多い(3)感染経路不明割合50%以上――の3指標は両ステージ共通です。 異なるのは(1)病床のひっ迫度合い(2)人口10万人当たりの療養者数(3)人口10万人当たりの新規報告数(1週間)――の3指標です。 病床ひっ迫度合いは、ステージ3が「最大確保病床の占有率が20%以上か、現時点の確保病床数の占有率が25%以上」、ステージ4が「最大確保病床の占有率が50%以上」となっています。 10万人当たりの療養者数と、10万人当たりの1週間の新規報告数は、ともにステージ3が「15人以上」なのに対し、ステージ4が「25人以上」となっています。
Q:6指標が基準を下回った地域では緊急事態宣言が解除されるの?
必ずしもそうとは限りません。新型コロナ対策を担う西村康稔(やすとし)経済再生担当相は、6つの指標について「機械的に当てはめる訳ではない」「基準を目安としながらも総合的に判断する」(1月25日の衆院予算委)と語っています。 例えば、人口約1400万人の東京都では、1日の新規報告数がステージ3の指標だと約300人、ステージ4の指標だと約500人になります。 しかし、西村担当相は「これを下回ったから直ちに解除するということではなく、病床の状況など含めて総合的に判断していく」「解除したとしても、対策を直ちに解除する訳ではない。再び感染が拡大しないように、いわゆるステージ2に向かって減少していくように段階的に解除していく」(同)と述べ、指標を下回ればすぐに宣言が解除されるのではなく、またステージ3相当になったとしても対策を継続する姿勢を示しています。