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木村一基王位、藤井聡太棋聖との第61期王位戦七番勝負で意地を見せるか

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HOMINIS(ホミニス)

昨年、史上最年長となる46歳での初タイトル獲得が大きな話題となった木村一基王位。これまではあと1勝が遠かったが、ついに悲願を達成した。 ■プロ入りから22年目で初タイトルを獲得 2009年の第80期棋聖戦五番勝負では羽生善治棋聖(称号はいずれも当時)を2勝1敗と追い詰めるも、そこから連敗。並行していた第50期王位戦七番勝負では深浦康市王位を3連勝と圧倒するも、そこからまさかの4連敗となった。将棋界の七番勝負で3連勝からの4連敗があったのは、このシリーズを含め2度のみである。さらに2016年の第57期王位戦七番勝負では羽生善治王位を3勝2敗と追い詰めるも、そこから2連敗。よって勝てばタイトル獲得の一番を8度も敗れていたことになる。 7度目のタイトル挑戦となった昨年の第60期王位戦七番勝負の相手は豊島将之王位。王位戦だけでなく、並行して竜王戦の挑戦者決定三番勝負も豊島と戦ったため十番勝負とも言われた。第1局は完敗、第2局は痛恨の逆転負けと非常に苦しい出だし。名人も保持しており、近年目覚ましい活躍を見せる豊島相手では厳しいかとの雰囲気にもなったが、ここから木村の逆襲が始まる。 第3局を得意の受けで制してシリーズ初勝利を挙げると、第4局も相入玉点数勝ちと持ち味を存分に発揮。第5局は敗れて後がなくなるが、第6局は受けの力を見せて快勝。決着は最終局へ。勝てば初タイトルの一番は9度目となった。運命の第7局は豊島が先手となり、角換わりに。難解な形勢が続いたが、抜け出したのは木村。リードしてからはひるむことなく強い指し手を続け、豊島を投了に追い込んだ。七番勝負は4勝3敗となり、プロ入りから22年目でついにタイトルを獲得した。 竜王戦の挑戦者決定戦の方は1勝2敗で敗れ、十番勝負は5勝5敗の痛み分けとなっている(豊島は竜王を奪取)。 ■第61期王位戦七番勝負に注目が集まる 昨年は自身のタイトル以外にも嬉しいことがあった。奨励会入会時から可愛がっている、一番弟子の高野智史四段(※「高」は正しくは「はしご高」、現在は五段)が新人王戦で初優勝を飾ったのだ。高野も三番勝負で初戦を敗れ、後がないところからの連勝で逆転優勝だった。新人王表彰式では、師匠に対する感謝のスピーチもあり、木村が目頭を押さえるシーンも見られた。 新人王はタイトルホルダーとの記念対局が慣例となっている。当然ながら、この時は師匠の木村との対局となった。弟子が初の新人王、師匠が初タイトルのタイミングが重なったのはドラマのようだ。なお、記念対局では弟子が成長を見せて快勝している。 初防衛戦となる第61期王位戦七番勝負には将棋界のスーパースター藤井聡太七段(現在は棋聖)が挑戦してきた。年齢差は29歳で、親子ほども年が離れているが盤を挟めば関係ない。シリーズ開幕時の藤井は無冠の現役最年少棋士ではあるが、その実力は文句なしにトップクラス。史上最年長で初タイトルを獲得した木村に、史上最年少のタイトル獲得を狙う藤井が挑戦するのもまた作ったような筋書きだ。第2局を終えて2連敗と木村は苦戦を強いられているが、昨年も2連敗からのタイトル奪取だった。稀代の天才棋士を相手に意地を見せられるか。 文=渡部壮大

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