教員採用、日程前倒しも受験者減8割
今年度の公立学校教員採用試験を昨年度より前倒し実施した機関の85%で、受験者数(10月時点)が昨年度より減ったことが分かった。 【図解】今年度の教員採用試験はどうだったか、全国の教委一覧 教員のなり手確保策として文部科学省が求めた日程前倒しだったが、受験者減に歯止めはかかっていないようだ。 朝日新聞が10月、採用試験をする47都道府県・20政令指定市の教育委員会と、大阪府豊能地区教職員人事協議会に取材した。 1次試験の時期は、64機関が6~7月、4機関が5月だった。昨年度より前倒ししていたのは40機関。うち34機関(85.0%)で、受験者数が昨年度(追加募集をした場合の分も含む)より減った。 減少していた機関の中には、不足を補う追加募集をしている機関もある。 受験者数は近年、減少傾向が続く。文科省の調査で分かる直近の22年度(12万1132人)は、10年前より約6万人少なく、採用倍率も2.4ポイント低い3.4倍だった。一部で学級担任が確保できないなど「教員不足」も生じている。 このため文科省は昨年、一般的な日程より1カ月早い6月16日を1次試験の「標準日」として各機関に示していた。
朝日新聞社