【欧州市況】イタリア債売り進む、ECB総裁発言で-株は堅調
(ブルームバーグ): 欧州債券市場は12日、欧州中央銀行(ECB)が市場予想通り0.25%利下げしたことで一時上昇したが、その後反落した。
ラガルド総裁がインフレリスクは双方向だとの認識を示し、投資家が期待したほどのハト派的な発言はしなかった。このコメントにより、債券の反転が加速した。ECBの声明では「ディスインフレのプロセスは順調に進行している」としていたため、市場は意表を突かれた。
イタリア10年債の利回りは16ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、11月以来の高水準となる3.35%を付けた。4月以来の大幅な上昇だった。ドイツ10年債との利回り差(スプレッド)は8bp拡大して115bpと、この1週間で最大になった。
短期金融市場はECBの緩和観測を後退させ、来年の利下げ幅の見通しは1週間ぶりに125bpを下回った。
イングランド銀行(英中銀)が来週の政策会合で金利を4.75%に据え置くとの見通しが強まり、英国債の利回り曲線はスティープ化した。来年の利下げ見通しは78bpと、11日の82bpから後退した。
欧州株式市場は、ストックス欧州600指数がロンドンの取引終了時点でほぼ横ばいだった。鉱業や小売業が最も下落し、特に小売りは投資判断の引き下げを受けて下げを拡大したインディテックスに足を引っ張られた。自動車セクターは最も上昇した。
12月12日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)
原題:Italian Bonds Fall as ECB’s Lagarde Strikes Less Dovish Tone (1)、Italian Bonds Underperform After ECB Rate Cut: End-of-Day Curves、European Shares Steady as ECB Delivers Expected Rate Reduction (抜粋)