32年かけ日本百名山制覇 福島市の佐藤さん 100カ所目は御嶽山 「安全に山登りを続けたい」と決意新た
福島市の佐藤誠司さん(69)は32年かけ、日本百名山への登頂を制覇した。100カ所目には長野、岐阜両県にまたがる御嶽山を選び、2014(平成26)年の噴火で犠牲になった被害者への慰霊の思いを胸に山頂を目指した。「準備を怠らず、体力が持つ限り安全に山登りを続けたい」と決意を新たにしている。 1992年、友人に誘われ、山形、新潟両県にまたがる朝日連峰に登ったのが挑戦の始まりだった。初めて見た山頂からの景色に「雲海や朝日の美しさは普段の生活では想像できないものだった」。当時の興奮を、今もはっきり覚えている。 登頂制覇まで4カ所を残した昨年12月、噴火から10年となる御嶽山を最後の山に選んだ。9月13日、山登り仲間4人と共に挑んだ。噴火跡で荒れた山道を歩き、途中にある慰霊碑に手を合わせた。 頂上まで残り千メートルの地点に急な斜面が立ちはだかった。頂点を目指す気持ちを強く持った。翌14日に山頂にたどり着くと、大きな達成感に包まれた。
約30年の山登り人生で、自然と向き合う厳しさを感じてきた一方、雄大な環境に触れられる魅力に取りつかれた。今後は悪天候に見舞われ、きれいな景色を見られなかった山々に再挑戦する。「子どもたちにも山登りの魅力を伝えたい」と前を向く。 (ワイド)