ストリートでもバイク乗りにも愛される“コーチジャケット”おすすめ10選。
スナップボタンのフロントで、シャカシャカとしたナイロン生地。デザインはシンプルだけど、そこにプリントセンスでオリジナリティを表現するコーチジャケット。古くはウォームアップジャケットなんて言われてたアイテムは、いつしかファッションアイテムになった。アメリカのスポーツ系アイテムと思われがちだけど、その使い勝手の良さは、モータースポーツの世界でも使われ、ホットロッドやバイカーたちにも愛されるアイテムに。コーチジャケットはアメリカ文化が生んだ代表的なアイテムなのかもしれない。
そもそもコーチジャケットとは?
ワークやミリタリー、ウエスタンなど、アメリカで生まれた服はすべてが機能服がそのルーツ。それぞれのデザインは、その服を着る状況下での「必要」なスペックを確保することで生まれてきた。 よく「アメリカにはファッション文化は無い」と言うけれど、たしかに服を美しく見せるためのデザインはアメリカの服には少ない。でもそんな機能美を持った服が時代ともにカジュアルファッションとして進化して、その結果、ヨーロッパのデザイナーがそれをベースに服をデザインしているんだからおもしろい。 そのなかでも実にアメリカらしいアイテムは、5ポケットデニムやウエスタンシャツなどがその筆頭。それらは、きっとアメリカの文化がなければ生まれなかったアイテムだ。前置きが長くなったけど、そのなかでもちょっとマイナーで、実にアメリカ的なアイテムが、ここに紹介するコーチジャケットである。 コーチジャケットとは、素材はナイロン、フロントがスナップボタンになっていて襟付き、裾はドローコードで裾幅を調整することができるボックスシルエットというのがスタンダード。このルーツはいわゆるウールを使った往年のバーシティジャケット(スタジャン)が大元で、本来はウォームアップジャケットとして存在していたので、すぐに脱げるようにスナップボタンは必須。きっとナイロン素材が世の中に出てきて、軽いし保温性も高いので、これを合理化したんだと想像できる。いわゆるアメリカのスポーツ文化が生んだ産物だ。 その使い勝手の良さはさらに波及。いわゆるチームのユニフォームとしてモータリゼーションの世界にまで進出する。たしかにかつてのホットロッダーたちのチームジャケットにもスタジャンから派生したファラオジャケットが存在していたからね。それの簡易版としては都合がよく、大衆にまで普及した。 歴史を紐解くと、コーチジャケットが一般的になったのは1960年代。それってサーフィンやホットロッドを背景に生まれたビーチボーイズが活躍した時代ともぴったりとリンクする。たしかにアフターサーフの羽織り物としても 都合がよろしい。どちらの世界にもコーチジャケットは存在していたはず。きっといろいろな世の中の「必要」からビーチボーイズもコーチジャケットも生まれてきたに違いない。アメリカ文化の始まりは実にシンプルだ。