「サンライズ」に喫煙個室は必要か? もはや唯一の“タバコが吸える列車” 匂いの影響を調べてみると意外な点が
実は個室内はそれほどでもない
東京~高松・出雲市間を結ぶ寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」。特に金曜日の夜は平均乗車率99%という人気ぶりで、寝台券の確保は容易ではありません。 人気の一方で、2024年現在は唯一、喫煙車と喫煙個室を備えた列車でもあります。寝台券が取りにくい列車だけに、タバコを吸わない乗客でも、喫煙可能設備しか予約できないことも多くあります。 【写真】えっ…! これが超人気でまず取れない個室です 筆者(安藤昌季:乗りものライター)は、「サンライズ瀬戸・出雲」で喫煙車のある個室寝台「シングル」「シングルツイン」と、喫煙可能個室のある「シングルデラックス」「サンライズツイン」を複数回利用したことがあります。これらの設備はどのような居住環境なのでしょうか。非喫煙者の立場から見ていきます。 ■喫煙車は6号車と13号車 喫煙車は「瀬戸」「出雲」それぞれの編成に1両ずつあり、併結した状態では6・13号車が喫煙車になります。この車両には1人用B個室寝台「シングル」と、1~2人用B個室寝台「シングルツイン」が備わります。 喫煙車の通路部分はタバコの匂いがかなりあります。ただ、個室内ではそれほど感じません。煙が上へ行く以上、上段室では匂いがこもりやすいはずですが、上段室でも気になるレベルではありませんでした。
2種類の個室で違いアリ?
「シングル」の個室内では、そこまで煙の影響はないと書きましたが、周囲の個室で喫煙が頻繁に行われる場合は、若干でも煙が入ってきます。灰皿のある個室の入口から離れた、寝台が広い部分の頭上に換気扇があるため、そこまで悪影響はないと思いますが、匂いに敏感な人は避けた方が無難です。筆者は感じたことはありませんが、逆に換気扇を通じて匂いが入ることもあるそうです。 なお、自分の前に個室を利用した人がヘビースモーカーだった場合は、匂いが残ることもあるでしょう。日本国民の喫煙率は14.8%(2022年)とのことで、乗車時には喫煙車内にタバコを吸う人が全く乗っていないこともありました。運の要素も強いかもしれません。 ■1~2人用B個室寝台「シングルツイン」 補助寝台を展開すれば、2人でも使える個室寝台です。「シングル」と同じく、6・13号車は喫煙車です。「サンライズ」は2人用個室の競争率が高いため、2人用禁煙個室にこだわると、予約できないことも多々あります。 「シングル」と比較すると、室内のタバコ臭は若干強く感じます。これは扉の開口部が広く、部屋の中央にある階段に灰皿があることと、天井が高いぶん、換気扇までの距離が遠いことが原因だと思います。筆者は耐えられる範囲でしたが、匂いが気になる人は避けた方が無難だと思います。