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たった一匹で最期を迎える犬や猫たち……高齢者が飼いきれずに「ペットが路頭に迷う」悲しい現実

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文春オンライン

 人懐っこく、くったくない表情が可愛い。その可愛さに癒されるからと、猫や犬とともに暮らす高齢者は少なくありません。しかし、高齢者の場合、死亡や施設への入所、入院などで突然ペットを飼えなくなることがあります。そして今、高齢者が飼いきれなくなり「ペットが路頭に迷ってしまう」ことが問題になっているのです。 【写真】この記事の写真を見る(11枚)  猫の不妊手術や保護活動をしている大阪府八尾市のHappy Tabby Clinic(ハッピータビークリニック)では、里親を募集している猫のシェルターがあります。保護された元野良猫もいますが、飼い主の死亡や入院、施設への入所のために飼育できなくなった猫も保護されています。

「飼い猫は保護される前に死んでしまうことが多い」

 ボランティアの辻本麻佐子さんに、飼育放棄され施設に保護された殿くん(猫)の話を聞きました。 「殿くんは、京都で高齢の女性に飼われていた猫でした。しかしその方が亡くなり、行く当てがなくなっていたところをボランティアさんが見つけて保護されたのです。飼い主の遺族を探すと、殿くんをえさ場に『置いた』と言う娘さんにたどりつきました。実際には、置いたのではなく、『捨てた』のです。その後、ボランティアさんがこの施設を見つけて、預けられました」  辻本さんは、「飼い猫は自分でえさを獲る術を知らないために、保護される前に死んでしまうことが多い」と言います。

ギリギリになっても誰にも相談できず、周りが見かねて相談してくる

 2019年2月にHappy Tabby Clinicに来たマツコちゃんは、事情が違います。 「マツコは、高齢の女性が飼っていた猫ですが、飼い主や親族ではなく、ケアマネさんが内緒で相談に来たんです。本来、ケアマネさんは業務外のことには手を貸してはいけないのですが、見るに見かねてのことでした。理由は、施設に入所することになったから。息子さんも若い頃に駆け落ちをして以来、音信不通だったそうで、ケアマネさんを通じてやっと連絡が取れたんです。

 とても良い息子さんで、マツコのことを知り『必要なお金は出す。重度の猫アレルギーで大阪には行けないが、母の猫をよろしくお願いします』と、お金も振り込んでくれました。毎週、お見舞いにも来ていると聞いています」(ボランティア・辻本麻佐子さん、以下同)  このようにギリギリになっても誰にも相談できず、周りが見かねて相談してくるケースは多いと言います。 「飼い主が体力的にも経済的にもぎりぎりのところまで追い詰められていて、『今月いっぱいで賃貸住宅を引き払わないといけない、ペットをどうしよう』と慌てて相談されるケースは多いです。一度入院したり、施設に入ったりすると二度と戻って来られないし、部屋もすぐに解約しなければいけないので、どうしても自分のことで精いっぱいになってしまうんですよね。そうなると、飼い主本人からの相談は珍しく、ケアマネさんや遺族が代わりに相談することになります」  また、飼い主だけでなく、猫も高齢な場合が多く、里親を募集してもなかなか希望者は現れない問題もあります。

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