大黒柱が圧巻の完封劇 中京大中京のエース・畔柳 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第9日の29日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で準々決勝が行われ、春夏計11回優勝の中京大中京(愛知)が今大会でセンバツ初勝利を挙げた東海大菅生(東京)を破り、準優勝した第69回大会(1997年)以来24年ぶりの4強入りを決めた。 【中京大中京vs東海大菅生の試合の写真特集で】 大会屈指の右腕が圧巻の完封劇を演じきった。中京大中京のエース、畔柳だ。 中1日の登板で疲れはあったが、「良い力感で投げられた」と快調に飛ばした。初安打を許した六回。次打者も四球で歩かせ無死一、二塁としたが、「ピンチになるとギアが上がる」と焦りはなかった。投前に転がるバントを冷静に処理し、二塁走者を三塁封殺。なお1死一、二塁で相手の1番打者・福原を「最も自信がある」直球でつまらせ、投ゴロ併殺で切り抜けた。疲れが見え始めた九回には3四球で満塁のピンチを招いたが、最後の打者も直球で中飛に打ち取り、わずか被安打2本で試合を締めた。 最速151キロの速球に加え、切れ味鋭い多彩な変化球を操る。1回戦から3試合連続で先発を任されているのは、チームの投手ナンバーワンはもちろんだが、もう一つ理由がある。高橋監督は「畔柳がマウンドに上がると、チームが落ち着き、相手へのプレッシャーになる」と話す。 1、2回戦での2試合で球数はすでに241球。この日も138球を投げたが、高橋監督は「継投も考えたが、一度つかんだ流れのまま行きたかった」。畔柳も「チームを勢いづかせるには、自分が一人で投げないといけないと感じていた」と自覚をにじませた。 頼りになる大黒柱に支えられながら、春夏通算12回目の全国制覇を目指す名門がまた一歩、歩みを進めた。【森野俊】 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。