再起誓う上林ら13年高卒組の現在
2月も終わりに近づきプロ野球は対外試合が増えてきた。宮崎ではオリックス、ソフトバンク、ロッテ、西武の4球団が球春みやざきベースボールゲームズを戦っている。 【写真】仙台育英の練習試合用ユニフォーム姿の上林 誠知 そのなかで光る活躍を見せているのがソフトバンクの上林誠知(仙台育英高)だ。上林は2試合連続で適時打を放ち開幕スタメンへ大きくアピールを行っている。 昨シーズンの上林は開幕戦に「1番・右翼」でスタメン出場し二塁打を放つ好スタートを切った。しかし翌日の試合はベンチスタートとなり、出番もなかった。以降もスタメンに定着できず、69試合の出場で打率.181(160打数29安打)と物足りない数字に終わっている。 そんな上林は2013年ドラフト4位で指名され、仙台育英高からソフトバンクに入団した。今年は8年目のシーズンとなるわけだが、ドラフト同期の高卒選手たちは各チームでどのような立ち位置となっているのだろうか。 投手では松井裕樹(桐光学園高→楽天1位)が出世頭だ。昨シーズンこそ先発転向でやや苦しんだが、ここまで346試合に登板し141セーブをマーク。今シーズンも守護神として起用されることが濃厚だ。 先発型では二木康太(鹿児島情報高→ロッテ6位)、平良拳太郎(北山高→巨人5位/現DeNA)、ヤクルトへトレード移籍した田口麗斗(広島新庄高→巨人3位)が、それぞれの所属チームで先発ローテーション争いに加わっている。 その他では今野龍太(岩出山高→楽天9位/現ヤクルト)も楽天は戦力外となったものの、ヤクルトに移籍し中継ぎとして欠かせない存在となった。砂田毅樹(明桜高→DeNA育成1位)も2年目に支配下に登録され2017年・2018年と2年連続で60試合以上に登板している。昨シーズンは17試合の登板にとどまったものの、防御率2.65と結果は出した。三浦大輔新監督体制となり、どのような起用となるか注目が集まる。 一方の野手では森友哉(大阪桐蔭高→西武1位)と渡辺諒(東海大甲府高→日本ハム1位)がレギュラーに定着している。とくに森は2019年に首位打者とMVPを獲得。チームを2連覇に導く立役者となった。現時点における球界一の「打てる捕手」といっても過言ではない。 その他では若月健矢(花咲徳栄高→オリックス3位)が、2016年から一軍に定着。規定打席到達はまだないものの、毎年のように正捕手争いを繰り広げている。 上林も2017年にレギュラーに定着し翌2018年には全試合に出場した。しかし、ここ2年は出場試合数を減らした上に打率は1割台と苦しんでいる。 世代のトップランナーである松井や森に追いつくためにも、今年は大事な1年になる。まずは開幕一軍を勝ち取るべく、練習試合とオープン戦で結果を出すことに期待したい。 <2013年ドラフト> ※高卒指名選手 ※育成指名で支配下登録されていない選手は除く 渡辺 諒(東海大甲府高→日本ハム1位) 岸里 亮佑(花巻東高→日本ハム7位) 石川 亮(帝京高→日本ハム8位) 児山 祐斗(関西高→ヤクルト5位) 若月 健矢(花咲徳栄高→オリックス3位) 園部 聡(聖光学院高→オリックス4位) 吉田 雄人(北照高→オリックス5位) 奥浪 鏡(創志学園高→オリックス6位) 関根 大気(東邦高→DeNA5位) 砂田 毅樹(明桜高→DeNA育成1位) 上林 誠知(仙台育英高→ソフトバンク4位) 曽根 海成(京都国際高→ソフトバンク育成3位) 鈴木 翔太(聖隷クリストファー高→中日1位) 岸本 淳希(敦賀気比高→中日育成1位) 二木 康太(鹿児島情報高→ロッテ6位) 肘井 竜蔵(北条高→ロッテ育成1位) 中村 祐太(関東一高→広島5位) 森 友哉(大阪桐蔭高→西武1位) 金子 一輝(日大藤沢高→西武4位) 横田 慎太郎(鹿児島実業高→阪神2位) 松井 裕樹(桐光学園高→楽天1位) 内田 靖人(常総学院高→楽天2位) 古川 侑利(有田工業高→楽天4位) 今野 龍太(岩出山高→楽天9位) 和田 恋(高知高→巨人2位) 田口 麗斗(広島新庄高→巨人3位) 奥村 展征(日大山形高→巨人4位) 平良 拳太郎(北山高→巨人5位)
勝田 聡