送電網セクターを運用者は有望視、トランプ次期政権の反ESGに耐性
(ブルームバーグ): トランプ次期米大統領が掲げる反ESG(環境・社会・企業統治)政策に負けないグリーン移行関連の投資対象として、資産運用各社は送電網セクターに注目している。
トランプ氏の大統領選勝利から数時間後、風力・太陽光発電関連株は急落したが、TD証券のアナリストは選挙翌日、送電網や送電網構築に必要な設備は足元で「エネルギー移行で最も有望なサブセクター」の1つだと顧客に伝えた。
実際、5日の大統領選以来、S&Pグローバル・クリーンエネルギー指数がほぼ10%下落しているのに対し、送電網設備関連の主要な株価指数は約6%高となっている。米国市場でかなりの収益を上げているアジアや欧州のサプライヤーも買われ、日立製作所の株価はこの間8%余り上昇している。
運用マネジャーらは、米国の電力や送電網への投資について、他のセクターには打撃を与える関税の影響を回避する手段になると指摘する。トランプ氏の保護主義政策を受け、米国内に回帰する製造業の増加が確実視される中、米国のエネルギー需要の急拡大も投資材料となる。
ニューヨークに拠点を置くヘッジファンド、エレクトロン・キャピタル・パートナーズのポートフォリオマネジャー、ラン・チョウ氏は「米国の電力需要には非常に強気だ」とコメント。「これに伴い、長期で無炭素エネルギーが求められる」と述べた。
送電網設備の開発に携わる企業で大統領選以降に株価が上昇したのはイートン、ロックウェル・オートメーション、アメテックなどで、いずれも6%以上の上昇。エマソン・エレクトリックは7%超上げている。
原題:Asset Managers Bet Grid Stocks Will Soar in Trump’s Anti-ESG Era(抜粋)
--取材協力:Sheryl Tian Tong Lee.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Ishika Mookerjee