「オズの魔法使」ルビーの靴に40億円! 映画小道具の最高額更新
ジュディ・ガーランドが「オズの魔法使」で履いた伝説的なルビーの靴が、2800万ドル(約40億円)で落札されたと、米ワシントン・ポストが報じている。 電話での入札者が落札し、落札額2800万ドルに加え450万ドルの手数料が発生。落札者の身元は明らかにされていない。約20年前に盗難に遭い、FBIの捜査によって奇跡的に発見されたものだという。出品者は所有者のマイケル・ショー氏。 靴は2005年、ミネソタ州のジュディ・ガーランド博物館から盗まれ、長年その行方が不明だった。2018年にFBIが潜入捜査で回収するまで、アメリカ映画史上最も有名な小道具の一つが闇に消えていた。今回の落札額は、マリリン・モンローのドレス(552万ドル)が保持していた興行関連アイテムの最高額記録を大きく更新した。 1939年に公開された「オズの魔法使」は、カラー映画の黎明期に制作された革新的な作品で、アメリカを代表するミュージカル映画として知られる。16歳でドロシー役を演じたジュディ・ガーランドは、この作品で一躍スターとなった。劇中で歌われた「虹の彼方に(Over the Rainbow)」は、米国映画協会が選ぶ「アメリカ映画の歌100曲」で1位に選出されている。現存するルビーの靴は4組のみで、その1組がスミソニアン博物館に常設展示されている。 靴の所有者は、盗難当時、博物館に貸し出していた。今回の競売には、ジュディ・ガーランド博物館も参加したが、競り負けた。同博物館のジャニー・ハイツ館長は「この映画と靴がいかに象徴的な存在であるかを示している。信じられない結果だ」とコメント。同館が位置するミネソタ州グランドラピッズは、ガーランドの生誕地として知られ、町の中心部には黄色いレンガの道が走っている。 「オズの魔法使」の影響力は、現代も衰えを知らない。同作の前日譚を描くミュージカルの映画版「ウィキッド ふたりの魔女」が、北米で大ヒットを記録中。「悪い魔女」となるエルファバと「善い魔女」となるグリンダの出会いと友情を描く物語で、エミー賞受賞者のシンシア・エリボとアリアナ・グランデが主演を務めている。日本でも2025年春の公開が予定されている。