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アベノミクスの景気回復効果はイマイチだった? 経済成長率、金融緩和等を振り返る

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LIMO

アベノミクスの景気回復効果は大きかったとは言えないが、幸運もあって日本経済に多大な貢献をしたことは間違いない、と筆者(塚崎公義)は考えています。

まずは安倍総理に「お疲れさま」

安倍総理が持病の悪化で辞任されることとなりました。読者のなかには安倍総理を好きな人も嫌いな人も、政策を支持する人もしない人もいるでしょうが、彼が長期間にわたって身を粉にして日本国のために尽力してきたことは間違いないと筆者は考えているので、本稿の冒頭で「お疲れさまでした。ありがとうございました。」と申し上げることをお許しいただきたいと思います。

アベノミクスの成長率は高くない

民主党政権時代の平均成長率は、前期比0.4%、年率で1.6%でした。リーマン・ショックによる落ち込みからの自律回復という面も強いので政策の貢献とは言い切れませんが、成長率そのものは多くの人が思い描いているような暗いイメージとはほど遠いですね。 一方で、アベノミクス期の平均成長率は0.3%、年率1.2%にとどまっています。ちなみに昨年秋の消費増税と今年の新型コロナ不況の影響を排除するため、本稿では昨年9月までの期間について論じることにします。 この成長率は決して高いものではなく、「リーマン・ショックからの回復の流れを途切れさせなかった」といった程度のものでしょう。

労働力不足は制約要因だったが・・・

成長率が低かった一因は労働力不足でした。公共投資の予算が建設労働者不足で執行できなかったり、介護士不足で介護需要が満たせなかったりしたのです。 しかしそれは、経済全体の成長率を制約した重要な要因ではなかったようです。本当に労働力不足が深刻で供給が間に合わないならば、インフレになるはずですし、省力化投資が猛烈に盛り上がるはずですが、そうでもなかったからです。

株高、ドル高の好影響は限定的

日本では家計の株式保有が多くないので、もともと株高の資産効果は限定的です。今回も、資産効果で消費が盛り上がったとは言い難いようです。 一方で、期待を裏切ったのが円安による輸出数量増加です。日本企業は最近「地産地消」志向を強めているようで、円安だから輸出を増やそう、ということではなく、売れるところで作ることを重視しているようなのです。 また、円高時にドル建て輸出価格の値上げを我慢していたため、円安になっても値下げの余地が小さかった、ということもあったようです。 ちなみに「ドル高で輸出企業の採算が改善したから景気が回復した」と考えている読者がいるとすれば、残念ながら誤りです。日本は輸出入が概ね同額なので、輸出企業がドルを高く売れた分だけ輸入企業がドルを高く買わされているからです。

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