豊作や子孫繁栄、ハタハタに願い 鶴岡・大黒様のお歳夜
七福神の大黒様が年を越し、妻を迎えるとされる「大黒様のお歳夜(としや)」の9日、鶴岡市内の鮮魚店では、早朝から縁起物として食べるハタハタの田楽づくりが行われた。 庄内地域では、豊作と子孫繁栄などを願い、「ブリコ」と呼ばれる卵がたっぷり詰まったハタハタの田楽に、「まめに暮らせるように」との願いを込め、納豆汁や黒豆ご飯などを食べる風習がある。 本県や秋田県などでは、15センチ未満は漁獲しないなど、資源保護の取り組みを進めているが、海水温の上昇などの影響もあり、不漁が続いている。仕入れ値も昨年の2割程度高くなっているという。同市本町3丁目の梅津鮮魚店では地物と秋田県産で約800匹用意。午前5時から作業を始めた。大きさ25センチほどのハタハタを1匹ずつ串に刺し、20分ほどかけてこんがりと焼いた後、手作りのみそだれを塗って仕上げた。 店主の梅津亮一さん(61)は「なるべく身が大きいハタハタをそろえた。おいしく食べてもらいたい」と話していた。