ライブ中の迷惑行為でアイドル負傷 防止策はあるのか
南「自由度の高いところが魅力のひとつ」だが…
また、今回の迷惑行為で負傷した南も自身のツイッターを通し、「私はPassCodeのライブは自由度の高い所が魅力のひとつだと思っています。その自由は来ている人全員に与えられている物です。お願いですが、自由と身勝手を混同しないで欲しい。自分が自由だと思って取った行動が他の人の自由を奪っていないか?改めて考え直して欲しいです」とファンに呼びけている。南によると、MC中に話を遮るように関係ない話を大声で話したり、不快な野次を飛ばす人もいるという。 同グループはライブでの盛り上がりの激しさで知られるというが、限度を超えて「暴れたいだけのファン」に壊されてしまいかねない危険水域に達してしまったということか。盛り上がりつつも迷惑行為にならないよう一線を守っているファンにとってはいたたまれない話だろう。
アイドル現場だけの問題ではない迷惑行為
これについて、数々のアイドルグループの公演や、自身もプロデュースに携わる東京アイドル劇場主宰のノトフ氏は、「水をまく、というのはそういうことが例外的に認められていない限り、即退場してもらっていいレベルではと思います」と話す。「ただ、現実的には誰がまいたのか混雑している現場では特定することが難しく、今後は公演を即中止とするという対処も仕方ないのではと」と、運営側の判断に理解を示す。 では、何か有効な防止策はないのだろうか。 「入場時に持ち物を全部チェックするのも会場のオペレーション上、時間的にも人員的にも物理的に困難ですし、そもそもライブハウスの場合は会場内でもペットボトル飲料を売っていますから、防ぎようがないですよ」と、トラブル防止の難しさを説明する。ライブでの禁止行為を公式サイトや当日の現場などで明確にアナウンスしたうえで、あとは観客の良識にゆだねるしかなさそうだ。 最後にノトフ氏は、「ライブを楽しみながら、自分も目立ちたい、と思うまでは普通。会場やアーティストによってはリフトやダイブといった行為が許可されている場合もあります。ただ、今回のようなことが起きると、『だからアイドル現場は……』とアイドル特有の問題にして批判する人も出てくるのが悲しい。他のジャンルのライブでもさまざまな迷惑行為は発生します。アイドルだけの問題ではありません」と強調した。 いずれにしても、メンバーが負傷し機材が故障するとなれば重大事。ライブで高まる感情はうまくルールの範囲内での応援につなげたいものだ。 (文・志和浩司)