2024年3月期の「総資金利ざや」は0.18% コロナ貸出の効果薄れが鮮明、逆ざやは7行に
「総資金利ざや」の中央値0.18%、4年ぶりに低下
国内銀行106行の2024年3月期の「総資金利ざや(中央値)」は0.18%で、前年の0.19%から0.01ポイント低下した。3月期では2020年以来、4年ぶりに前年を下回った。 「資金運用利回り(中央値)」は0.85%(前年0.88%)で、3月期では調査を開始した2010年以降で2022年の0.86%を下回り、最低を記録した。一方、「資金調達原価率(中央値)」は、0.69%で前年の0.68%を0.01ポイント上回った。 106行のうち、資金運用利回りが前年を上回ったのは65行(構成比61.3%、前年42行)で、1.5倍に増えた。しかし、資金調達原価率の上昇も68行(同64.1%、同26行)に増え、収益環境の厳しさに変わりはない。 通常貸出より金利が高いゼロゼロ融資で、2023年に資金運用利回りの低下に歯止めが掛かった。しかし、同融資の返済が始まると同時に、取引先の確保に向けた低金利貸出が広がり、2024年は再び貸出金利が低下。調達コストや人件費などが上昇し、総資金利ざやの低下につながった。