「ルールを守らない人は”客”じゃない」…【18歳未満入店禁止】の人気ラーメン店に密着取材して分かった「意外な事実」
行列のお目当である唯一無二のスープを味わう
福岡のラーメンといえば、博多ラーメンに代表される細麺で10秒から数十秒で茹で上がり、出来上がりが早いことでも知られる。 しかし、同店は主役であるスープにしっかりと絡ませるため、一般的な博多ラーメンよりも麺が太い。そのため、注文から提供までは5分ほどの時間を要する。 筆者が注文したのは、看板メニューの「鷲掴みとんこつ」(税込1,300円)だ。 「とにかくシンプルに、豚骨の美味しさを極限まで出したいので、1杯あたり1kgに相当する大量の豚骨を超強火で炊いています。そのため、九州一の濃度があって、以前に濃度計で計測しようとした人がいましたが、キャパオーバーで計れなかったくらいです」 三浦氏がそう話すスープは、豚骨スープのイメージである白濁を超えて茶褐色。レンゲですくってみると、重量感のあるドロっとした手応えがある。 「しかも、他のラーメン店は塩や化学調味料などを入れていますが、うちのスープの原料は醤油・水・豚骨だけしか使っていません。ラーメンに必要と思われている油さえもいれていません」 確かに、スープを啜ってみると油のまったりした感じはない。そうなると、醤油の角が立ってしまいそうだが、限界まで炊かれた豚骨のコクによって角も取れている。 豚骨の溶け出しがよくわかるポタージュ系の口当たりと存在感は高いが、臭みのない味わい。他に類を見ないスープで熱狂的なファンが数多くいるのもうなずける。
意外…!お客と楽しそうに会話する姿も
開店前から店を訪れた筆者。列の回転が2周するまで取材をしたが、取材中には大きなトラブルもなく、店内の雰囲気も良かった。そして、意外にもカウンターのお客との会話が楽しそうに弾んでいた。 「ネットのイメージは良くないかもしれませんが、実際にはこうしてお客さんと接する時間も多いです。ルールを破った人がゴネて時間を取られる日もありますけど、そんなことに時間を使うのは本当に無駄です。それならば、今日みたいにお互いを大事にできるお客さんと楽しい話をたくさんしたいですよ」 最近では、店のルールやその運用の厳格さに反対をするお客も減ってきたのだという。 「うちの店のルールも、かなり浸透してきたみたいで、守ってくれない人は本当に減りましたよ。こないだ代表待ちの人がいましたけど、それも1ヵ月ぶりくらいでした」 他店にはないルールに賛否があるのは間違いないだろう。だが、これも厳しい業界を生き抜くための知恵。そして、大切なお客を守る方法なのだ。同店を取材して、そのことがよくわかった筆者である。
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