ジャンボ尾崎も「行ってこい!」 アジアアマ2位発進の本大志は1月からアリゾナ大進学
◇アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権 初日(3日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7217yd(パー70) 【画像】“名刺持参”の小学6年生がツアーデビュー この日同組で回ったのは今大会最年長66歳のラシッド・アクラ(レバノン)。19歳の本大志(もと・たいし)は意を決して話しかけた。「『3回りくらい年齢が違う』とか『22時間かけて日本に来た』とか、そういう話をしました」。現在、塾に通って英語を猛勉強中。来年1月からアリゾナ大に進学予定で、大学側に提出しなければならない課題も出ている。「きのうの夜も、きょうの朝もやりました。来週には(留学に向けた)テストがあるんです」。メジャー2大会の切符を懸けた一戦の裏で、もうひとつの闘いを繰り広げている。 2022年「世界ジュニアゴルフ選手権」男子15歳-18歳の部で優勝するなど実績を積み、ナショナルチームでもプレー。ジム・フューリックやアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)を輩出した名門アリゾナ大からの勧誘に当初は「メッチャ不安もありました」と正直な心境を明かす。ゴルフの腕を磨く上での最高の練習環境、チームとしてのレベルの高さが大きな魅力だった。
お世話になっている谷原秀人、プロ転向前に一時は米国への大学進学も模索していた久常涼、そしてジャンボこと尾崎将司にも相談した。2年ほど前から「ジャンボ邸」に通って練習しており、「間違いなく一番の人」と尊敬してやまない存在。今回、背中の押し方も“らしさ”にあふれていたという。「誰もやったことがないことをやるのがプロ。そういうことだろ。行ってこいよ」――。 これまで、金谷拓実や中島啓太といったナショナルチームの中核を担った男子選手たちは日本の大学に進んで力をつけ、プロになって世界に羽ばたくことを目指すルートが主流だった。「でも、今週出ているアリゾナ大の“チームメート”も中国人ですから。第一言語が英語じゃないけど頑張っている。(プロになってから)PGAツアーで活躍するために、いろいろ話し合いました」とチャレンジに迷いはない。 初日は出だし10番でボギーを喫し、16番では林からの脱出で木に当ててダブルボギーをたたいた。それでも、セカンドを池に入れた折り返しの18番(パー5)をパーで切り抜けると、後半だけで5バーディ。上がり2ホールの2連続バーディはいずれもセカンドをピンにピタリと絡め、4アンダー「66」。首位と1打差2位で中野麟太朗(早大)と並ぶ日本勢最上位につけた。 「調子はすごくいい。(優勝を)意識はしていますけど、今日みたいなダボとかは打たないようにして、自分の戦略をやり切りたい」。メジャー2大会の切符とともに海を渡れたら最高だ。(静岡県御殿場市/亀山泰宏)