横浜F・マリノスの22歳三好康児は最高傑作なのか?
フロンターレ時代から、同じ攻撃的MFとしてプレーするレジェンドの中村憲剛から、上手いだけでなく相手に脅威を与える選手になるための3カ条「相手の間でボールを受ける、すぐ前を向く、最後の仕掛けの部分で怖さを出す」を何度も叩き込まれてきた。いまも試行錯誤しながら実践している。 コンサドーレ、そしてマリノスでは自らの希望で「41番」を背負っている。三好本人は「軽い気持ちでつけました」と照れ笑いを浮かべるが、同じレフティーで、フロンターレ時代に可愛がってもらった昨シーズンのMVP、MF家長昭博の背番号にあやかったものだ。 そして、期限付き移籍の旅を終え、成長して戻って来るのを待っていると言わんばかりに、フロンターレは三好が2017シーズンに背負っていた「13番」を空けている。コンサドーレで輝きを放ちながらも1年間で退団したのも、完全移籍への切り替えを求められたからだ。 「代表の『10番』は責任があるし、誰しもがつけたいと望むはずなので、当然競争もあると思う。ただ、背番号でプレーが変わるわけではないし、それを背負うことで何かが特別変わるのかと言われれば、そうではないと思う」 フロンターレに愛され続けるホープは、サッカーに対する真摯な姿勢と適応力の高さを介して、コンサドーレに続いてマリノスでも居場所を築きあげた。武者修行の先か、あるいは過程に待つはずの東京五輪へも自然体で臨む三好は、自らの課題にも真正面から向き合いながらたくましく成長していく。 (文責・藤江直人/スポーツライター)