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新型コロナ、PCR検査に代わる「抗体検査」「抗原検査」とは?

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SmartFLASH

 アメリカでは、長いところではすでに6週間も外出規制が続いている。テスラCEOのイーロン・マスクも、4月29日、「すぐにアメリカを解放しろ」とツイートした。  コロナ禍から解放される “パスポート” になると期待を集めているのが、新型コロナウイルスの「抗体」検査だ。一般に、抗体があれば同じウイルスにはかかりにくいとされ、感染が広がるなかでも自由に行動できる可能性が高い。  ただし、抗体検査薬は、スペイン政府が不良品を返品、インド政府が検査を延期、イギリスでも諮問委員会が「要件を満たすものが一つもない」と発表している段階だ。  アメリカの科学者も品質調査したが、14種類のキットのうち、信用できるのは3つで、もっとも高品質のものでも完璧ではなかったという。特に抗体を持っていない人を陽性と判定してしまう「偽陽性」が深刻で、偽陽性を出さなかったのは1つだけ。多くが5%、4つのキットは11~16%の確率で偽陽性を出したという(「ニューヨーク・タイムズ」4月24日)。  さらに今、新しい検査薬として注目を浴びてきているのが、「抗原」検査薬である。  ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策にあたるバークス博士は、4月28日、CNNのインタビューで「PCR検査不足を打開するのは抗原検査だ」と主張した。  抗原検査とは、ウイルスに感染しているかどうかを見るテスト。コロナウイルスの外側を覆うトゲトゲ部分のタンパク質(抗原)を探し当て、そのタンパク質に対し、体内で反応が起きるかどうかを調べる。抗原はウイルスが持っているタンパク質、抗体は私たちの体が作り出すものだ。  抗原検査薬はまだ市場に出回っていないが、実現すれば今よりも早く安くテストすることができる。15分~30分で判定できるが、問題はPCR検査より精度が落ちる点だ。  WHOは精度を34~80%と予測。「抗原検査はいまだ研究段階で医療現場で使われるべきではない」と4月8日に発表している。この予測通りだと、患者の半分は誤診断を受けることになるが、バークス博士はコロナウイルスについては十分な知見が集まり、実現可能だとしている。「PCR検査では、1日3億回の検査を実施したり、職場や学校に行く前に全員検査したりできない」と抗原検査への期待を寄せている。  抗原検査薬の開発は日本が先行している。富士レビオが「抗原迅速診断キット」を開発し、4月27日に製造販売承認を厚生労働省へ申請した。5月にも生産が始まる見通しだ。BARDA(米保健社会福祉省・生物医学先端研究開発局)も8億円近い資金を企業に提供し、9月の実用化を目指している。  アメリカでは、1日20万件ほどPCR検査をしているが、それでも数が足りないということなのだろう。コロナ禍から早く「解放」されるためにも、検査キットの開発に期待したい。(取材・文/白戸京子)

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