そこまでやるの? マイナーチェンジとは思えぬ新型レクサスISの驚異的な進化とは
新型レクサスISは、マイナーチェンジの域を超えた改良がいくつも施されている。フルモデルチェンジと言ってもおかしくない改良のポイントを世良耕太が解説する。 【写真を見る】新型レクサスISの詳細(24枚)大幅改良のポイントをチェック
そこまでやるの? マイナーチェンジとは思えぬISの改良
3代目にあたるレクサスISは2013年5月に国内で販売開始された。2016年10月にはマイナーチェンジを実施。内外装を一新したのにくわえ、ダンパーの仕様変更を行い、安全運転支援機能の強化を図った。ここまではよくある流れであり、経験則にあてはめてみれば、この次はフルモデルチェンジが控えているのだろう、と、想像できた。 しかし、(トヨタ自動車の高級車ブランドである)レクサスはそうしなかった。2020年11月にISに対しておこなったのは、2度目のマイナーチェンジである。慣例を破るイレギュラーな動きだ。トヨタと業務資本提携を結ぶマツダは、直列6気筒エンジンを搭載する新開発のFRプラットフォームを「この先2年で投入する」と、11月9日の決算説明会で言及した。2022年度内には投入されることになる。次期ISはマツダの新プラットフォームを共用すると思われるので、この先わずか2年のためにフルモデルチェンジするのは非効率。だからマイナーチェンジで延命することにした……。 といった想像力のたくましい(?)勘ぐりも可能であるものの、公式にはレクサスLSやLCが採用する「GA-Lプラットフォーム」を、採用すると重くなってしまうため、プラットフォームを変えないマイナーチェンジに留めたのが理由という。ISは“コンパクトFRスポーツセダン”を標榜するからだ。 クルマを操る楽しさを高めるためには、重くしたくないし、大きくしたくない。いかに新世代とはいえ、ISよりも大きく重たいLSやLCをカバーする目的で開発したプラットフォームを採用すると、ISの狙いを実現できなくなってしまう。だから、プラットフォームをキャリーオーバーすることにしたというのだ。 ISはプラットフォームを切り換えていないからマイナーチェンジと称しているわけだが、プラットフォームをキャリーオーバーしていてもフルモデルチェンジを主張して一向に差し支えない。例えば、2020年2月に発売された4代目フィットは3代目のプラットフォームをベースに開発されている。ISは律儀に“マイナーチェンジ”と、称しているが、施された変更は通常のマイナーチェンジの範ちゅうを大きく超えている。「そこまでやるの?」と、呆気にとられるレベルだ。