本紙連載「穂の国探究」を書籍化 大塚参院議員が執筆
愛知県東三河地方の歴史本
参院議員の大塚耕平さんが東愛知新聞紙上で2020年10月から23年4月にかけて連載した「穂の国探究」が書籍になった。古事記の時代から現代にいたるまでの東三河の歴史を広い視野でまとめた一冊。タイトルは「穂の国探究 語り継ぎたい東三河の歩み」で東愛知新聞社などで取り扱っている。風媒社発売。A5判153㌻、1760円。 大塚さんは1959年名古屋市生まれ。愛知県立旭丘高校、早稲田大学を経て日本銀行入行。在職中に早稲田大学大学院博士課程修了。2001年から現職。歴史や仏教の研究家として活動し、中日文化センター講師や仏教宗派の学林講師などを務める。著書に「仏教通史」(大法輪閣)「愛知四国霊場の旅」「尾張名古屋 歴史街道を行く―寺社城郭・尾張藩幕末史―」(中日新聞社)などがある。 連載は61回だったが、書籍化にあたり、戦後史を中心に大幅加筆した。また、写真などの資料を増補した。「古代」「戦国以前」「中世」「戦国」「江戸」「幕末」「明治前期」「明治中期」「明治後期」「大正」「昭和初期」「戦時」「戦後」の時代区分に分けた。
本紙連載に大幅加筆
第1話で、当地の成り立ちを紹介する。古代の史書に、三河国と遠江国の間に「穂国」が登場する。「昔も今も、この地域は豊かである」「経済や自然が域内で自己完結する」「人々は大らかであり、反面、閉鎖的であり、貪欲ではない」などと分析している。その後、「徐福伝説」「鳳来寺山」などと進み、大河ドラマで注目された「鳥居強右衛門」「松平氏」などを取り上げる。 その後、渡辺崋山は2話にわたって描いたほか、明治維新後は「第八国立銀行」「神野新田」「豊川鉄道」などが登場。「軍都豊橋」や政争の話も盛り込んだ。そして戦災を経て、現代にいたる穂の国の発展を描いている。 巻末には豊橋商工会議所の神野吾郎会頭が発刊の辞を寄せた。 大塚さんは「あとがき」で「今後も『穂国』の過去・現在・未来を紡いでいただくこと、ならびに『穂国』が末永く発展することを祈念します」と結んだ。 問い合わせは東愛知新聞社(0532・32・3111)へ。【山田一晶】