米予選会突破の岩井明愛の14本を分析! ウェッジはソールを滑らせたいから『N.S.PRO 950GH neo』?
来季の米ツアー出場権をかけた予選会に挑戦して、見事5位タイで突破を果たした岩井明愛。彼女のセッティングの詳細をレポートしたい。 【写真】岩井明愛の14本全部見せます アイアンとウェッジの打痕がすご過ぎた ドライバーは『EZONE GT タイプS』(9度)に『レクシスカイザM 5S』シャフトを採用している。クラブフィッターの吉川仁氏に分析してもらった。 「フックフェースでヘッドでボールをつかまえたい意図が見えますね。岩井千怜プロのシャフトは走り系ですが、明愛プロは『レクシスカイザM 5S』で程良いつかまりのモデルだと思います。先が動かない感じが好みで、厚いインパクトを作りたいのでしょう」 アイアンでは、千怜同様に6番の『ヨネックス EZONE GT』(22度)の下に、5番~PWで『EZONE CB511フォージド』を投入している。 「飛び系6番ロフト22度を入れて、その下にアスリートモデルの5番25度を入れていますね。ユーティリティの代わりに千怜プロ同様にぶっ飛び系モデルでを入れていますが、ロフトの流れが理想的だと思います。彼女も千怜プロ同様にアイアンはややグースネックのモデルを使っています。ドライバー同様にフェースに球を乗せて運ぶ感覚を作っているのだと思います」 アイアンのシャフトが『N.S.PRO 950GH neo S』と割としっかりしているので、上から入れられないと長い番手だと球が上がりにくいという。完成度が高い彼女のスイングにマッチしたチョイスだと補足する。 注目したいのはウェッジのシャフトで、『N.S.PRO 950GH neo S』を使用している点。明愛はアプローチではヘッドを滑らせてさまざまな球質を打ち分けているという。『DG』を使うケースと弾道が変わってくる。 「『DG』シャフトなど元調子系のモデルを使うと、アイアンが振り遅れて鋭角に入ります。厚いインパクトを作りたい人は『DG』が合うでしょう。逆にソールを滑らせて打つタイプの人は、それよりは程よく動いてくれる『N.S.PRO 950GH neo S』がいいと思います」 3本のウェッジのロフトバリエーションは50・54・58度。PWのロフトが46度のため、4度ピッチで構成している。「ロフト差を4度ピッチにすることで、100ヤード以内の細かな距離の打ち分けが可能になります。明愛プロ同様に多くの女子プロが採用しているのが50・54・58度の組み合わせ。ただ、PWのロフトが44度や45度になると飛距離差が広がるので注意が必要です」 計算された彼女のセッティングがあるからこそ、安定した強さを発揮できるのだろう。来シーズンからの米国での活躍が楽しみだ。 【岩井明愛のクラブセッティング】 1W:ヨネックス EZONE GT タイプS(9度/レクシスカイザM 5S) 3・5W:ヨネックス EZONE GT(14.5・18度/レクシスカイザM 6S) 6I:ヨネックス EZONE GT(レクシスカイザi 8S) 5I~PW:ヨネックス EZONE CB511フォージド(N.S.PRO 950GH neo S) 50・54・58度:ヨネックス EZONE W 501(N.S.PRO 950GH neo S) PT:テーラーメイド スパイダーX カッパーホワイト スモールスラント BALL:スリクソン Z-STAR XV ◇ ◇ ◇ 女子プロのヘッドを鉛を活用するケースが多く見られた。関連記事【河本結や尾関彩美悠ら女子プロたちは鉛でヘッドの特性を調整していた!】を読めば、その秘密が分かります。