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地方移住やってみた 秩父の空き家バンクを利用したある家族の生活

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マネーポストWEB

 全国的に空き家が急増し、社会問題となっている中、「空き家バンク」という取り組みがある。地方公共団体が空き家の登録を募り、買いたい人・借りたい人の橋渡しを行うものだ。その活動を通し地域活性化を図り、注目されているのが埼玉県秩父地域で、移住や二地域居住先として関心が高まっている。現在までの物件登録数の累計は446件、成約は208件。これは県内トップの実績だという。 【写真】細野さんは秩父市内で『ふくくるしょくどう』を経営

 2016年に、空き家バンクを利用して都内から横瀬町の別荘地に移住した家族がいる。日本二百名山の1つ、武甲山の中腹に位置する山小屋風の建物は築27年。間取りは2LDK。購入額はおよそ600万円だった。

 ここで暮らし、車で15分ほどの秩父市内の食堂を夫婦で切り盛りするのは細野かの子さん(52才)だ。

 夫の昌行さん(46才)、娘の蒔結ちゃん(8才)。そしてドーベルマンなどの大型犬4匹と生活している。移住して4年が経過した細野さんに、以前の暮らしぶりを聞いた。

「父親の介護のために実家に戻り、料理人の夫とともに弁当店を始めました。当時、娘は喘息がひどく、虚弱体質。朝起きても布団の上で正座をしたまま動けない日もたびたびありました。

 アトピー性皮膚炎もあり、4才になってもベビーカーが必要なほど、体も小さかったのです。秩父に移住したいちばんの目的は娘の健康改善。次に大型犬を広い場所で散歩をさせてあげたかった」

 蒔結ちゃんの症状はすっかり落ち着き、小学3年生となったいま、体格もその年代の平均値だという。

 細野さんの理想は「山と街のある暮らし」だ。山に住み、街で店を営むという憧れの条件が合致したのが秩父だった。意外にも、移住のハードルは低かったと笑う。

「周りからは『移住なんてよく決意したね』と驚かれましたが、私の意識は引っ越し。空気のいいところに行こうか、くらいの感覚でした」(細野さん・以下同)

 たしかに、移住と聞くと「人生の一大決心」のように聞こえるが、そこは“ちかいなか(近い田舎)”を謳い文句にする秩父。都内に通勤している人も多く、細野さんは娘さんにせがまれて、原宿に出かける日もあるという。

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