10・11国際ガールズ・デー 「女性はかくあるべし」の固定観念から女子を解放
女性が能力や個性を十分に発揮できる社会は、国際的なジェンダー目標の一つだ。だが、社会に出る前に、家庭や学校、地域社会で「女性はかくあるべし」というジェンダー・バイアスが埋め込まれ、女性の進出を阻んでいるのではないか。その問題意識から、ジェンダー平等と包摂を目指して活動する国際NGOプラン・インターナショナル(以下、プラン)が10月11日に東京・港区で、若年女性のエンパワーメントを啓発するイベントを開催した。 同日は国際ガールズ・デー。プランのキャンペーンがきっかけとなり、国連総会が2011年に採択した記念日で、「女の子の権利」促進を呼びかける日として世界各国でさまざまな催しがなされている。今年の主題は「PLAN GIRLS MOVEMENT 2024~私の声が未来をつくる」。事前に25歳以下を対象に、女の子が勇気をもって声を上げたことで実現した変化などを表現したエッセイや動画を募集。イベントでは、優秀作品「プラン・ガールズ・アワード」を発表し、表彰式が行なわれた。 なぜ「私の声が未来をつくる」のか。プランの小泉美礼チーフ・マーケティング・オフィサーは、プランが発表した「ガールズ・リーダーシップ・レポート2023~女の子および若年女性がリーダーになるための政策提言書」を理由に挙げる。 提言書では、固定化されたジェンダー・ステレオタイプが日本の15~24歳の女性の自尊心の低さや進路選択の制約につながり、将来に大きな影響を及ぼしていると分析。また、海外に比べ、日本の若い女性は自分の能力に対する自信が低かった。そこで、自信を持てる機会を作るためコンテストを実施したという。「ジェンダー・バイアスを正すのは社会に出てからでは遅い」と小泉氏は断言した。 コンテストのエッセイ部門ガールズ・エンパワーメント賞は私立中高一貫校5年の〝ことちゃん〟。地方の小学校6年生の時、都心の進学校に進む話が持ち上がった。父や祖父母が反対したが、「行きたい」と宣言し、入学することになった。「今後も責任と覚悟を持って声を上げ続ける一方、潜んだ声に気づいてあげられる存在になりたい」と記した。