新車が品薄! 納車は「1か月」から「4年以上」まで、なぜそんなに幅広いのか? 各メーカーに聞いてみた
中古車、未曽有の価格高騰
中古車の価格が高騰している。 その背景には、新型コロナ禍を発端とした都市のロックダウンによる物流の滞りや、世界的な半導体不足がある。 【画像】男女別で発表! ドライブデートで乗りたい車のランキングを見る(11枚) それにより新車の生産が遅れ、納車待ちが発生している。つまり、新車を注文してもなかなか届かない状況になっているのだ。この納車待ちは、自動車メーカーや車種によって差があるとも言われている。 その理由はどこにあるのか探ってみた。
新車よりも中古車の方が売れている
車の購入を検討している、あるいは買い替えを検討しているユーザーは、新車を注文しても納車されるまでの期間が長過ぎるため、すぐに納車可能な中古車に流れている。 実際、以下のようなデータがそれを物語っている。 日本自動車工業会(JAMA)のデータによると、2020年の四輪車新車販売台数は約381万台(普通車、小型四輪車、軽四輪車)だったのに対し、四輪中古車販売台数は約574万台(普通車、小型四輪車、軽四輪車)だった。 日本自動車販売協会連合会(自販連)のデータでも、2022年5月末時点の新車販売台数の累計は約108万台、中古車登録台数は約152万台となっている。 中古車が多く販売されており、中古車の在庫(タマ数)が減少傾向にある。その状況は2022年6月時点でも解消されていない。 中古車価格は、車種、年式、走行距離、色、外装・内装の劣化具合などさまざまな要因で変わってくる。そのため、個体差が大きく一概に安い・高いと判断することは難しい。 しかし、筆者の愛車(2019年式に新車で購入した国産ハッチバック)の値段を比較しても、新車と中古車であまり差がないことに驚いた。 自動車販売店の担当者に聞いてみても「新車と中古車の価格差が少ないこともあり、納期が長くても構わないのであれば、新車をお薦めしている」と話す。
納車まで4年以上かかる車種も
現在、新車を注文するとどのくらいで納車されるのか。各自動車販売店に出向いて具体的に聞いてみた。もちろん車種やグレード、カラーによって違いがあることはお断りしておく。 トヨタでは、大人気ミニバン「ヴォクシー」や「ノア」の納期は、6か月から8か月ほどかかるという。また、車の周囲を確認できるアラウンドビューモニターなどのオプションを付けると、さらに3か月ほど納期が伸びる可能性があるという。 アラウンドビューモニターなどは半導体が使われているため、製造に時間を要してしまうからだ。 さらに、本格SUV「ランドクルーザー」にいたっては、注文すると、納車まで4年(2022年4月時点)ほどかかるという。「世界各国で好評なためお届けするのに多大な時間を要する見通し」だとアナウンスされている。 次にホンダはどうかというと、トヨタ同様、売れ筋のミニバンの納期は数ヶ月以上になる可能性があるらしい。ただし、ミニバン「ステップワゴン」は、2022年6月にフルモデルチェンジされたため、前モデルで在庫が残っていればすぐに納車できるケースもある。 軽自動車のラインナップが充実しているスズキは、軽自動車SUV「ジムニー」や、乗用車版ジムニー「シエラ」は納車までに1年半ほどかかる。 実際、筆者は2年前にジムニーシエラを注文した経験がある。その時の納期は1年2か月だった。早急に乗り換える必要があったため、泣く泣く別の車種に変えた。 あれから2年以上経過しているが、いまだに納車までの期限が解消されていないどころか、より長くなってしまっている状況だ。