737MAX、欧州でも再開承認 EASAと英CAA
フランスやドイツなど欧州31カ国が加盟するEASA(欧州航空安全局)は現地時間1月27日、2度の墜落事故を起こしたボーイング737 MAXの運航再開を承認した。英国のCAA(民間航空局)も同日付で許可しており、737 MAXは欧州内で飛行を再開できるようになった。 737 MAXは2020年12月末現在、リース会社を含め欧州域内から973機受注。67機を引き渡している。納入済みのうちリース機を除く購入機は51機で、ターキッシュエアラインズ(旧称トルコ航空、THY/TK)やノルウェーのLCCノルウェー・エアシャトル(NAX/DY)など6社が受領している。CAAによるとこのうち6機が英国で登録された機体で、TUIエアウェイズ(TOM/BY)のみが導入している。 英国は2020年1月31日にEU(欧州連合)を離脱。設定していた移行期間は、同年12月31日午後11時(英国時間)に終了した。これに伴い、英国はEASAも脱退している。 737 MAXは737の発展型で、CFMインターナショナルの新型エンジン「LEAP-1B」を採用。翼端には新型ウイングレット「アドバンスト・テクノロジー・ウイングレット」を備え、客室内装はLED照明や大型の手荷物収納棚など、787と同等のものを取り入れた「ボーイング・スカイ・インテリア」を採用している。 標準型は737-800の後継となる2016年1月に初飛行した737 MAX 8(1クラス189席)で、もっとも胴体が短い機体で737-700の後継機737 MAX 7(同172席)、従来型では胴体がもっとも長かった737-900ERの後継機737 MAX 9(同220席)があり、2019年11月には胴体長が最長となる737 MAX 10(同230席)がロールアウトした。 FAA(米国連邦航空局)は2020年11月18日に、737 MAXの飛行停止命令を解除し、運航再開を認めた。ボーイングは12月から納入を再開。28機引き渡した737のうち737 MAXは27機で、アメリカン航空(AAL/AA)の10機や、ユナイテッド航空(UAL/UA)の8機などが目立った。737 MAXの納入は2019年3月以来1年9カ月ぶりとなった。 米国のほか、ブラジルとカナダの航空当局も737 MAXの運航再開を承認している。
Yusuke KOHASE