今週末に見たい展覧会ベスト15。荒川ナッシュ医、松谷武判の個展から、ポーラ美術館の「カラーズ」展まで
もうすぐ閉幕 ベル・エポック―美しき時代 パリに集った芸術家たち(パナソニック汐留美術館) パナソニック汐留美術館で「ベル・エポック―美しき時代 パリに集った芸術家たち ワイズマン&マイケル コレクションを中心に」が12月15日まで開催されている。 19世紀末から1914年頃までのパリが芸術的にもっとも華やいだ時代「ベル・エポック 」。本展は、ベル・エポック期から1930年代に至る時代の美術、工芸、舞台、音楽、文学、モード、科学といった様々なジャンルで花開いた文化のありようを重層的に紹介するものだ。 会場には、トゥールーズ=ロートレックやジュール・シェレによるポスター、当時のブルジョワたちが身にまとった衣服に装身具、エミール・ガレやルネ・ラリックの工芸作品に加えて、芸術家同士の交流がうかがえる書簡や稀覯本など、その頃のパリの繫栄や活気を鮮明に伝える多様な分野の作品が展示されている。とりわけ、展示の中核を担う、デイヴィッド・E・ワイズマンとジャクリーヌ・E・マイケルの絵画コレクションは、往時のモンマルトルの世相を色濃く反映した珠玉の作品群と言えるだろう。 会期:2024年10月5日~12月15日 会場:パナソニック汐留美術館 住所:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階 電話番号:050-5541-8600 開館時間:10:00~18:00(12月13日、14日は~20:00) ※入館は閉館の30分前まで 休館日:水 料金:一般 1200円 / 65歳以上 1100円 / 大学生・高校生 700円 / 中学生以下 無料 UNSOLD UNSOLD|杉本博司、ソフィ・カル、青柳龍太(ギャラリー小柳) 銀座のギャラリー小柳で、杉本博司、ソフィ・カル、青柳龍太による展覧会「UNSOLD UNSOLD|杉本博司、ソフィ・カル、青柳龍太」が12月14日に閉幕する。 本展は、2014年11月にギャラリー小柳で開催した「UNSOLD」展を再現する展示だ。10年前、3人のアーティストにより蚤の市に出され売れ残った品々は、ギャラリーという場に移されることにより、全体でひとつの「UNSOLD」というインスタレーション作品として売りに出された(しかしそれは売れ残るという結果となった)。 本展では、それを10年ぶりに「UNSOLD UNSOLD」(売れ残りの売れ残り)として再び販売するもの。なお本展に際し、2014年に発行された展覧会カタログも再版。杉本の新テキストを加え『UNSOLD UNSOLD』として発行されている。 会期:2024年11月21日~12月14日 会場:ギャラリー小柳 住所:東京都中央区銀座1-7-5 小柳ビル9階 電話番号:03-3561-1896 開館時間:12:00~19:00 休館日:日月祝 料金:無料 SENSE ISLAND/LAND |感覚の島と感覚の地 2024(猿島および横須賀市街地) 2019年に横須賀の無人島・猿島でスタートした「Sense Island - 感覚の島 - 暗闇の美術島」。今年からは、横須賀市街地にエリアを拡げ「SENSE ISLAND」から「SENSE ISLAND/LAND」にアップデート。夜間のみならず日中も楽しめるアートイベントとして2年ぶりにリニューアル開催されている。会期は12月15日まで。レポートは こちら。 横須賀は、江戸時代はペリー来航の地として、第二次世界大戦時には要所を守る重要な役割を果たす地として、そして現在はアメリカの文化が交差する地として知られている。東京湾最大の無人島である「猿島」や、日本最初の洋式燈台として知られる観音埼灯台のある「観音崎公園」、現存する世界最古の鋼鉄戦艦・世界三大記念艦「三笠」のある「三笠公園」といった歴史的拠点ほか、2024年にプリツカー賞を受賞した建築家・山本理顕が設計した横須賀美術館、昭和の街並みが残るエリアなど文化的拠点も数多く存在している。 同企画は、このように様々な歴史、文化、産業が積み重なる横須賀の「地層」に着目することで、アートによる時間と大地の可視化と文脈化を試みるものとなっている。 会期:2024年10月2日~12月15日 会場:猿島および横須賀市街地(神奈川県) 猿島会場:金土日祝の夜間 市街地会場:会期中の日中(各施設の利用時間に準ずる) オタケ・インパクト ―越堂・竹坡・国観、尾竹三兄弟の日本画アナキズム(泉屋博古館東京) 国家主導によって芸術分野も近代化が図られた明治時代。文部省美術展覧会(文展)をはじめ、様々な展覧会が開催されるなか、日本画壇で活躍したのが、越堂(えつどう、1868~1931)、竹坡(ちくは、1878~1936)、国観(こっかん、1880~1945)の「尾竹三兄弟」だ。この三兄弟の作品の革新性と魅力を紹介する展覧会「オタケ・インパクト ―越堂・竹坡・国観、尾竹三兄弟の日本画アナキズム」が泉屋博古館東京で12月5日まで開催されている。レポートはこちら。 本展では代表作のほか、東京での初公開や本展準備中に発見された作品、そして未公開資料も多数集結。岡倉との衝突で展覧会から撤去された幻の作品《絵踏》も修復されて初公開となっている。そのインパクトは、現代でも強烈で日本画の概念を広げてくれると同時に、「展覧会制度」の光と影に翻弄された画家の姿も浮き彫りにしている。 会期:2024年10月19日~12月5日 会場:泉屋博古館東京 住所:東京都港区六本木1-5-1 電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル) 開館時間:11:00~18:00(金~19:00) ※入館は閉館の30分前まで 休館日:月 料金:一般 1200円 / 大高生 800円