A東京のインサイドを守る竹内譲次、外国籍選手が揃う川崎相手に奮闘「自分の能力を示す機会」
開幕戦ではリーグ随一のインサイドを誇る川崎に奮闘
文=鈴木栄一 写真=B.LEAGUE アルバルク東京は川崎ブレイブサンダースとの開幕節を1勝1敗で終えた。デション・トーマス、ケビン・ジョーンズの外国籍選手2名を欠き、インサイドの駒不足が否めない中でも初戦は85-79で快勝。2試合目はビッグマン2人に加えて大黒柱の田中大貴も欠場しながら粘りのディフェンスで食らいつき、52-55の惜敗だった。 優勝候補の一角、しかもフルメンバーの川崎を相手に、戦力が揃っていない状況でもこのような戦いを見せ、A東京はあらためて王者の底力を証明した。そして、この2連戦で大きな存在感を見せた一人が竹内譲次だ。初戦は35分出場で13得点4リバウンド3アシスト2スティール。2試合目も31分出場で7得点6リバウンドを記録し、帰化選手のニック・ファジーカスに外国籍3選手と、リーグ随一のタレントを誇る川崎のインサイド陣相手に互角の戦いを繰り広げた。 「厳しい戦いであるとは全員が思っていました。その中でもしっかり準備をして、勝つつもりで試合に臨みました。この不利な状況を覆すには一人ひとりの強度の高さ、遂行力と僕たちが掲げているものを出すことが必要不可欠です。2試合目は負けてしまいましたが、2日間を通して、それをしっかり出すことはできたと思います」 このように開幕節を総括する竹内は、あと一歩で連勝を逃しての1勝1敗についてこう考えている。「正直なところ、1勝はしたいという気持ちもあったので、1勝1敗は悪くはないです。ただ、2日目は勝つチャンスはあったのに、勝負どころの細かい部分で最後に差が出て負けてしまった。そこで連勝を逃して残念な気持ちもあります」
「いつもより開幕戦に照準を合わせることができていた」
また、2日連続で30分以上の出場となったことをこう振り返る。「外国籍の状況で、自分とアレックス(カーク)が長い時間コートに立つことは予想できていました。自分がリーグベストの一人であるニック・ファジーカスにつくことも分かっていて、彼をどれだけ抑えられるかが試合の鍵になる。そこにフォーカスをしていました」 そして、35歳の大ベテランとなるが、このタフな起用法にもガス欠をしないで乗り切れる自信はあった。「この夏は代表活動もなかったので、いつもより開幕戦に照準を合わせることができていました。自分は運動量、コンディショニングで勝負しているので、長いプレータイムが2日続いても乗り切れるというある程度の自信はありました。また、川崎自体まだ手探りの状況で、実質オン・ザ・コート3になったところでゲームの流れが重くなり、そこまで体力的に消耗しなかったところもあります」 この外国籍の状況は試合前から分かっていたことで、ゴール下では川崎が主導権を握るはずとの声も少なくなかった。当然、竹内もそういう空気は感じており、それを見返してやろうと闘志を燃やしていたが、一方で冷静なメンタルで臨むことも重視していた。 「長い間コートに立つことへの責任感はありましたし、そこで結果を出すことが自信に繋がります。今回は自分の能力を示す機会とも思っていました。ただ、だからといって意気込みすぎると空回りしてしまう。そこはやってやろうという意気込みと平常心を持つ。その両方を意識していました」