【ラーメン丼】1杯たった500円。横浜町中華名物「酔来丼」の衝撃!:パリッコ『今週のハマりメシ』第164回
ある日、あるとき、ある場所で食べた食事が、その日の気分や体調にあまりにもぴたりとハマることが、ごくまれにある。 【写真】鶏肉を中心とした惣菜の名店デリカキング それは、飲み食いが好きな僕にとって大げさでなく無上の喜びだし、ベストな選択ができたことに対し、「自分って天才?」と、心密かに脳内でガッツポーズをとってしまう瞬間でもある。 そんな"ハマりメシ"を求め、今日もメシを食い、酒を飲むのです。 * * * ライターをはじめとして幅広く活動する、姫乃たまさんにお声がけいただき、横浜にあるライブハウス「ネイキッドロフト」で開催されたトークイベントに出演した。 もうひとりのゲストは漫画家のラズウェル細木先生で、全員もうわりと長い知り合いだ。当然イベント中も酒は飲むに決まってるものの、その後は横浜の街にくりだして打ち上げをする流れが予想され、すると自ずと、東京の自宅まで帰るのがめんどくさくなる流れが予想される。そこで、その日は思いきって横浜に宿をとってしまい、旅行気分で時間を気にすることなく、大いに飲んだ。 翌朝、ゆっくりと起きて、せっかくだからもうちょっとだけ横浜の空気を味わってから帰りたいなと考える。宿があるのは関内。すぐそこには中華街もあるし、朝から飲める好きな店も多い「ぴおシティ」も遠くない。 が、今日は久しぶりにあそこに行きたい気分かもしれない。「横浜橋通商店街」。350mほどのアーケードに約130店舗の商店が連なる昔ながらの商店街で、僕の大好きな場所だ。宿からは少し歩くけど、横浜の朝の空気を感じながらの散歩と考えればむしろ大歓迎。よし、行こう。 さっそく韓国食材店で、好物のカクテキや「青唐辛子の塩辛」なる、いくらなんでも酒に合いそうすぎるブツたちを思わず購入。まるで市場のような魚屋さんや、コロッケがひとつ30円と、時代がどこかで止まってしまったような惣菜屋さんを眺めつつ歩く。なんて楽しい商店街なんだろうか。丸ごと家の近所に移設されてくれないかな。 また、横浜橋に来たら個人的に絶対外せないのが「デリカキング」だ。鶏肉を中心とした惣菜類が絶品なのはもちろん、クリスマスチキンのように立派な「手羽焼き」が1本378円、丸々一羽の「かぶと」が648円と、信じられないくらいにリーズナブルだ。いくつかを家族のおみやげに買って帰り、今日の夕食のおかずにしよう。 久々の横浜橋通商店街を堪能したところで、早めの昼食をとりつつ、今回の横浜旅、最後の一杯を飲んで帰ることにしよう。嬉しいことに一帯には早めの時間から飲めてしまう店も多いんだよな。今日の自分的にグッとくる店は、さてどこだ。 と、商店街のいちばんはしまで歩いてみると、その名も「酔来軒」という気になる町中華の店を発見。"酔いが来る"とはなんとも酒飲み泣かせなネーミングじゃないか。 しかも店頭の看板に「名物!! 酔来丼」なるメニュー名が大書されている。お値段は500円。僕はこういう、頼んでみるまでどんなものが出てくるかわからないメニューにやたらと興奮してしまう質なんだよな。もう、ここしかない!
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