対中関係に目配り必要、医療用麻薬問題で既に進展と米高官
[ワシントン 18日 ロイター] - バイデン米政権の国家薬物管理政策局(ONDCP)のラフル・グプタ局長は18日、有力シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)で講演し、医療用麻薬フェンタニルによる国民の死亡を減らす一環として、原料の主要供給源である中国の当局が既に対応に動いているとし、トランプ次期政権はこうした現状に目配りして関係性を維持するよう訴えた。 バイデン大統領は2023年11月に習近平国家主席と北京で会談し、この問題にともに取り組むことで合意した。グプタ局長は一定の成果を挙げていると指摘し「進展を維持することが非常に重要になってきている。(フェンタニル乱用による)危機に対し、中国を解決の一端を担う存在にするよう取り組むことが可能であり、さもなければ中国は問題の一角であり続けるかもしれない」と述べ、トランプ次期政権は慎重に対処する必要があると強調した。 グプタ局長によると、中国当局はフェンタニル原料を販売するウェブサイトの多くを閉鎖し、関係者を逮捕している。 グプタ局長が今年6月に北京を訪問して以降、50種類以上の物質が規制対象に指定されており「フェンタニルを製造し、密売しようとする者にとって、原料入手が本当に困難になっている」と語った。 その上で、こうした措置がフェンタニルによる米国民の死亡減少につながっており、協力関係の進展を遅らせることはできないと述べた。 トランプ次期大統領はフェンタニル問題に絡んで対中関税率の引き上げ方針を掲げている。グプタ局長は「圧力をかけ続けることは差し支えない。しっかり確認しておきたいのは、圧力をかけ続ける際に既に起きていることを理解し、これまでの進展を認識しておくことだ」と述べた。