プロ野球、眼のいい打者は誰だ? 選球眼を考える
鳥谷(阪神) 昨年の成績:打率.313 8本塁打 87四球80三振 出塁率.406 こちらも毎年多くのフォアボールを獲得するタイプの打者だが、昨シーズンは例年より若干早めの勝負している傾向が見られた。2013年には深いカウント(3-1、3-2、2-2)での打席割合が42%に達していたが、昨シーズンは37%に下がった。この変化がよい結果につながり3年ぶりに打率は3割超。阪神はほかにもゴメス(3-2の割合が21%)上本(同19%)福留(16%)と深いカウントでの打撃を好む打者が多い。投手としては非常にやりにくい打線だ。 丸(広島) 昨年の成績:打率.310 19本塁打 100四球95三振 出塁率.419 最も投手有利なカウントでの打席が少ない打者。0-2、1-2という圧倒的投手有利なカウントでの打席がわずか9%(平均21%)と非常に優秀。一方で3-2の打席は21%もあることから、2ストライクを奪われたあとにフルカウントまで持っていく技術が相当高いことが推測される。残る課題は初球へのアプローチ。昨シーズンは初球でのホームランが1本止まりだった。初球でもうすこし結果を出すことができれば理想の打者になれる可能性を秘めている。
栗山(西武) 昨年の成績:打率.288 3本塁打 96四球100三振 出塁率.394 理想的な打席でのアプローチができている打者。初球打ちの割合は14%と高めな上に、3ボールの状況に持ち込むことがうまく、3-0、3-1、2-3の3つのカウントでの打席が全打席の31%を占めている。また、打者有利なカウント(3-0、3-1、2-0、2-1、1-0)での打席が平均より5%多く、投手有利なカウント(0-2、1-2、2-2)は平均より7%少ない。さらにフルカウントの打席も19%と高い割合だ。初球から打っていくが、その狙いが外れた場合でもボール球を見極めて有利なカウントを作ることができる。ストライクを先行されてもフルカウントまでもっていって出塁につなげる。という今回のテーマに最も適合する選手だ。 今シーズンはチーム方針から2番と打つことが予想されている。出塁能力には疑いの余地がなくまさに適任。後ろを打つホームラン王2人(中村、メヒア)や元打点王(浅村)が本来の力を発揮すれば相当強力な上位打線が形成されるだろう。 (株)日刊編集センター