【防災最前線】スマホで分かる!混んでる避難所(静岡県)
SBS(静岡放送)
防災最前線です。コロナ禍のいま、災害が発生した時の避難で大きな問題となるのが3密対策です。この3つの密を避けるため、裾野市は避難所の混雑具合をスマートフォンなどで見ることができるシステムを県内で初めて導入しました。 <増田剛記者>「たった今、裾野市が導入を決めたのがこちらのシステムです。タブレット端末やスマートフォンで避難所の混雑状況はリアルタイムで見ることができます」 裾野市が2月から新たに導入したのが、混雑検知システム。都内のIT関連企業が開発しました。 <裾野市危機管理課 亀崎浩子課長代理>「このシステムの画面を開くと、地図と避難所の情報が示される。自分の自宅からどこが最寄りの避難所か確認して、今の混雑状況を確認できたり、建物の外観、駐車場が確認できる」 システムは、QRコードを読み込むことでアクセスできます。画面には、市内のどこの避難所が開かれ、どれほど混雑しているのか「空いています」「やや混雑」などで表示され、簡単に見ることができます。 <裾野市危機管理課 亀崎浩子課長代理>「コロナの環境下の中で、密にならない避難所の運営をしていくための情報発信をするために取り入れました」 システムを使った避難のイメージはこうです。 ・避難所では、市の職員が避難した人の数などから判断し、リアルタイムで「満員」「混雑」「やや混雑」「空いている」の中から混雑状況を入力します。 ・市民はスマートフォンなどで調べ、表示された避難所の中からより近く、より空いている所を選び… ・どこへ避難するのかを自主的に判断します。 こうして、市民の分散避難を促すのが狙いです。 実は、裾野市には苦い経験がありました。 <裾野市危機管理課 亀崎浩子課長代理>「おととしの台風19号の時に、裾野市でも避難所を開設したが、5か所の避難所だけでは足りなくなった」 2019年の台風19号。裾野市は、台風接近で警報が発表されたことを受け、5か所の避難所を開きました。しかし、予想を超えて避難者が殺到し、あふれかえる事態となったのです。 <裾野市危機管理課 亀崎浩子課長代理>「次から次に人(避難者)が避難所に来たので、当時はコロナ禍ではなかったが、避難所配備の職員は当時とても苦労した」 新型コロナの感染拡大を受け裾野市は、間仕切りや体調不良者用のテント、換気用の大型サーキュレータ(空気循環器)を新たに購入するなど3密対策を進めています。一方で、コロナ禍では避難所の定員自体、従来の5割に制限しなければなりません。市民に、できるだけ均等に避難してもらうことは多くの自治体と同様、大きな課題となっていました。高村市長は、システムの効果に期待を寄せました。 <裾野市 高村謙二市長>「公助はしっかりとやるが、自分の身は自分で守る自助が原則。その判断をしていただくのに客観的に『行くべき避難所はどういう状況か』市民に判断材料を提供できる」 避難するべき場所の情報をわかりやすく、リアルタイムで市民に提供するこのシステム。3密を回避し、市民の安全・安心につながるツールとして大きく期待されています。
SBS(静岡放送)