あばれ祭の熱気、紙芝居で 金沢出身・中谷さん、宇出津で初上演
金沢市出身の紙芝居師中谷奈津子さん(神奈川県鎌倉市)が能登半島地震と能登町宇出津の「あばれ祭(まつり)」をテーマにした紙芝居を創作し、23日、同町大屋根広場「みなとのニワ」で上演した。被災地の復興を後押ししたいと、勇壮な祭りの熱気と地域の再生を祈る物語を元気に繰り広げ、訪れた親子連れに能登の素晴らしさを伝えた。 中谷さんは震災と地域の昔話を交えたオリジナルの紙芝居「能登のあたらしい昔話」を制作している。第1弾は母が宇出津出身であることからあばれ祭を取り上げ、7月の祭りに足を運んで取材した情景を含む23枚にまとめた。 中谷さんはトレードマークの赤いバンダナ姿で登場した。主人公の「酒垂(さかたる)明神」が震災に心を痛めながらも「祭りで神様を喜ばせてくれる地域を守ってみせる」と誓う様子を声に変化を付けたり、楽器を交えたりしながら読み聞かせた。 第2弾は珠洲市の須須(すず)神社に伝わる「三崎のイルカ詣(まい)り」にまつわる伝承を取り上げ、来年以降に上演するという。 イベントは酒垂神社氏子青年会が開き、ちゃんこの炊き出しや能登高書道部のパフォーマンス、子ども木遣(や)りの発表も行われた。