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「西郷隆盛」海音寺潮五郎 司馬とは異なる〝実像〟描く【あの名作その時代シリーズ】

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西日本新聞
「西郷隆盛」海音寺潮五郎 司馬とは異なる〝実像〟描く【あの名作その時代シリーズ】

夜明けを迎える桜島と錦江湾。思えば、西郷隆盛も黎明期の近代日本にそびえる巨峰であった

 「あの名作その時代」は、九州を舞台とした作品、または九州人が書いた著作で、次代に残すべき100冊を選び、著者像や時代背景、今日的な意味を考えながら紹介するシリーズです。西日本新聞で「九州の100冊」(2006~08年)として連載したもので、この記事は06年12月17日付のものです。 **********  司馬遼太郎の才能を最初に見いだしたのは海音寺潮五郎であった。  一九五六年、司馬が講談倶楽部賞を受賞してデビューしたとき、さらに四年後に直木賞を受賞したとき、ともに海音寺が選考委員を務めていた。司馬の候補作を強く推薦したという。  その司馬が西郷隆盛と大久保利通を主人公にした新聞小説「翔ぶが如く」を連載していた七五年十月、文芸評論家の磯貝勝太郎さん(71)=東京都=は海音寺宅を訪ねた。司馬の新聞小説が話題に上り、海音寺が漏らした言葉を磯貝さんは覚えている。  「朝刊が来るのが楽しみだが、司馬君でさえ西郷が書けてない」  海音寺は司馬を「天才」と評価していた。その上での感想である。  「やはり自分が書くしかないと思っている」

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