岐阜市へ「移住」 市の後押しで会社を起業、社員の3分の1は「移住者」
マイホームを建て「子どもとゆったり暮らす生活」を実現
移住者を増やす取り組みに力を入れている岐阜市。市の指定する区域内で新築物件を購入したり、その区域内に就職のために引っ越したりした場合、条件に応じて助成金などが支給される制度を設けました。移り住み分かった魅力とは。 休日に3人の子どもとクッキーを作っているのは川口聡さん。 8年前に東京から妻・花子さんの実家がある岐阜市に移り住みました。 「東京では毎朝満員電車に揺られながら会社へ行って、帰ってくる家も正直そこまで広くはないアパートで。岐阜に移り住んで、今はもう車で10分ぐらいの通勤時間になっていて、4年前にマイホームも建てて、子育てとともにゆったりと暮らせています」(川口聡さん) 東京では、長女の保育園がみつからず、花子さんは仕事をやめざるを得ない状況でしたが岐阜市に引っ越した後は、保育園もみつかり、実家のサポートを得ながら、仕事を続けています。 「働きながら親も近くにいて、周りに仲間もいてというのは暮らしやすいですね」(妻の花子さん)
岐阜市の後押しで会社を起業 社員の3分の1が「移住者」
川口さんは、全国の企業や自治体のホームページを作る会社の代表を務めています。 その会社の立ち上げには、市の後押しもあったと話します。 「岐阜市が運営している創業支援施設というオフィスで、実は起業しています。オフィスを借りて会社を始められたことは、非常に当時を考えると支援を受けられてよかったと思います」(川口聡さん) 今では、社員34人のうち、約3分の1が「移住者」だといいます。 「うちの会社に入るために岐阜市に移住してくるようなメンバーを増やしていけたらなぁと思いますし、ようやく町のことにも目を向けられる余裕ができてきたので、少し街づくりというか、そちらにも携わっていきたいと思っています」(川口聡さん)
移住した一級建築士 手掛けた住宅に「岐阜県産の木材」を使用
一級建築士の伊藤維さんも、仕事や生活の充実を求めて移り住んだ1人です。 「岐阜でやったほうがおもしろいモノづくりができるんじゃないかと、そういうことを思って岐阜を拠点に決めました」(一級建築士 伊藤維さん) 岐阜県本巣市の出身で、東京大学を卒業後、アメリカに留学。 海外の大学で講師を務めるなど華々しい経歴の持ち主です。 その伊藤さんが帰国後、活動の拠点にした場所は、岐阜市でした。 「時間の流れがすごく好きですね。モノをつくることに集中できるし、近くに面白い人や温かい人がいるので」(一級建築士 伊藤維さん) 手掛けた住宅に、岐阜県産の木材を使うなど、仕事にも岐阜へのこだわりを取り入れてきた伊藤さん。 今では、地域おこしのイベントなどを通じて、住民とのつながりも生まれました。 「人とのネットワークの近さでの中で、ダイレクトに街のための仕事に携われたのは大きな経験でした。東京にいたら出会えなかった話かなと思います」(一級建築士 伊藤維さん)
イチ押しは「金華山カレー」
人との近さは、普段の生活でも。 伊藤さんが向かったのは、週1回は訪れるという、会社近くの小さな食堂。 イチ押しは「金華山カレー」、皿から溢れるばかりのルーが入っています。 「いいリズムというか、午前頑張って、ランチでちょっとリラックスして、そのときに近くにおいしいものを食べれる店があるのはいいですね。人の顔が見える生活が地続きにあるという感じがいいなと思っています」(一級建築士 伊藤維さん) (2月22日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)