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城西大学めぐる2件の訴訟に判決 前理事長の訴えをいずれも棄却

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週刊金曜日

 学校法人城西大学(上原明理事長、埼玉県坂戸市)から不法に排除されたとして、前理事長の水田宗子さんが同大学と元文科事務次官の小野元之理事らに損害賠償を求めた2件の訴訟の一審判決が2月25、26の両日相次いで出され、東京地裁はいずれも水田さんの請求を棄却した。  同大学創立者の二女で比較文学や女性学の研究者でもある水田さんは2016年11月の同大学の理事会で小野理事による緊急動議によって理事長職辞任に追い込まれた。城西国際大学(千葉県東金市)の大学院院長も務めていたが、大学側は17年2月に「大学院長職の廃止」を決め、17年度から「前年どおり」(当時の研究科長)行なうはずだった授業も取りやめ、大学から排除した。さらに同年4月に文部科学省で記者会見し、文科省OBの北村幸久法人局長(現事務局長)が「1億円を超える私的利用が疑われる」「会計調査委員会の結果を待って刑事告発するか否か検討」などと調査委の結果を待たずに発表した(本誌18年8月10日号、同24日号、9月21日号参照)。  主な争点について小田正二裁判長は「大学院長職の廃止」も「授業取りやめ」も「一定の合理性が認められる」とし「不法行為は認められない」と判断。また、田中寛明裁判長は会見での北村発言について会計調査委で調査すべき程度の「疑い」はあったため発言に真実性が認められるとし、それぞれ水田さんの請求を退けた。  原告代理人の大室俊三弁護士は「研究科長の『前年どおり』という発言を認めながら、教育の機会を奪ったことをよしとする判断は納得できない」とし、村尾治亮弁護士は「判決が、会計調査委員会と一線を画した点は評価できるが、一方的に『疑いがある』と公表することを是認するのはいかがものか」と批判。水田さんは控訴する意向を示した。同大学をめぐる訴訟は、会計調査委の報告に基づく「理事解任」の是非を問う訴訟など2件が係争中だ。 (片岡伸行・記者、2020年3月6日号)

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