G20サミット閉幕 安倍首相が議長国会見(全文2完)日本は日本の役割を果たしたい
日本から大量のプラごみが海に出ているというのは誤解だ
重要なことはいかにプラスチックごみの海洋流出を防ぐかであり、規制が唯一の方法ではありません。日本から大量の海洋プラスチックごみが海に出ているというのは、これは誤解であります。もちろんプラスチック製品は日本はたくさんつくっておりますが、日本から大量のプラスチックごみが出ているのではなくて、漁具等とかなり一部に日本から出ているものは限られていると思います。 適正な廃棄物管理、海洋ごみの回収という意味で分解されるバイオプラスチックごみ、バイオプラスチックのイノベーションなど、あらゆる手段を尽くしていく考えであります。またこれまでの日本の経験と技術をフルに活用し、途上国、そして途上国の能力構築等の国際貢献にも取り組んでいきます。例えば廃棄物管理の人材を世界で2025年までに1万人育成します。今回のG20大阪サミットでは、プラスチック汚染から私たちの美しい海を守るため、世界が一致して大きな一歩を踏み出すことができたと思っています。わが国ではこの問題の解決に向けて、引き続き今回の議長国としてふさわしい貢献をしてまいります。 司会:それでは再び日本のメディアの方からのご質問で。はい、じゃあ2列目の女性の記者の方。
アメリカとイランの緊張緩和に向けてG20に何ができるか
日本テレビ:日本テレビの【スガワラ 00:25:09】です。よろしくお願いいたします。総理はエネルギー安全保障の問題についてもG20各国で、重要性について共有したいというふうにおっしゃっておられましたけれども、アメリカとイランのこの緊張の高まりについてこの期間を通じてどのような議論があったでしょうか。また、G20として緊張緩和に向けて何ができるとお考えか、また日本としての役割というのをあらためてどうお考えか、お聞かせください。 安倍:今回のサミットにおいては、イラン情勢に関し各国が強い関心を示していました。私も各国首脳との会談の中で、先日のイラン訪問の話を紹介し、各国からはホルムズ海峡付近における船舶への攻撃事案や、あるいはイランによる米国の無人機撃墜事案など、地域の緊張が高まっていることを懸念する声が相次ぎました。中東における緊張感が高まる中で、各国が緊張緩和に向けた取り組みを続けているわけでございますが、先般も私自身がイランを訪問し、大統領そしてハメネイ最高指導者と会談を行ったところでございます。 私の訪問については、例えばフランスのマクロン大統領をはじめ、またサウジアラビアの皇太子など、多くの方々から緊張緩和への努力について強い支持があったわけでございました。今後とも国際社会と連携をしながらこの緊張緩和に向けて努力をしていきたいと。そして、やはりこの地域の緊張緩和が世界の繁栄、平和に極めて重要であるということは認識が一致しているわけでありました。それぞれがそれぞれの役割が果たしていく。日本は伝統的にイランと友好関係があるわけでありますし、米国との同盟関係もあります。欧州との信頼関係もある中で日本の役割を果たしていきたいと。そう簡単なことではもちろんありませんが、日本は日本の役割を果たしていきたいと、こう思っています。 司会:それでは外国のメディアの方も含めまして、もう1問お取りしたいと思います。それでは2列目の眼鏡を掛けた男性の方、お願いします。