ゲームでNFTや仮想通貨を稼げる時代に? 投資と社会貢献を両立する仕組みとは
投資で失敗したくない──誰もがそう考えることでしょう。しかし、リスクのない人生はないことと同様に、リスクのない投資は存在しません。 ゲームでNFTや仮想通貨を稼げる時代に? 投資と社会貢献を両立する仕組みとは 「未来を見通す投資思考」特集では、本格的に投資をはじめる前に知っておきたい投資の基本原則から思考法、現在の最新トレンドや最先端のテクノロジー投資、FIREを実現したエピソードなども交えて、「未来を見通す」投資をするために必要なことをお伝えします。 最近ニュースなどでよく見かける「NFT(エヌエフティー)」という言葉。「言葉は聞いたことがあるけど、いまいちよくわからない…」という人も多いでしょう。投資を考えるうえで今後大きなカギになりそうなNFTについて、今私たちが知っておくべきことは何か? ブロックチェーン技術で初期のころから活躍してきた“お金の科学者”にお話を聞きました。今回は後編です。 ▼前編はこちら ミアン・サミ 「お金の科学者」として活躍する国際人。1980年、東京・品川で生まれる。両親はパキスタン人。日興シティグループ証券、イギリス系のヘッジファンド、ドイツ証券などでディーラーとして活躍。著書に『毎月5000円で自動的にお金が増える方法』(かんき出版)、『教養としての投資入門』(朝日新書)など。現在はタイ・プーケット在住。Blade Web3 Foundationの創設者であり、ブロックチェーン技術等を活かした複数の企業の経営者でもある。 教養としての投資入門 (朝日新書) 880 Amazonで見る 935 楽天で見る ブロックチェーン技術を生かしたさまざまなビジネスと非営利活動を行なっているミアン・サミさんは、現在、NFTに関するビジネスを世界的に展開しています。 2008年のリーマンショック後、「あらゆる社会問題はファイナンシャルリテラシーの格差が要因で起こるのではないか」と思い至り、マネーに関する書籍執筆や講演を行なってきたサミさんは、2017年にブロックチェーン技術の世界に入りました。 それは、ファイナンシャルリテラシー以前の課題に気づいたから。 世界のおよそ5分の1の人は、経済的に除外されていると言われています。言語の壁、ファイナンシャルリテラシーのなさ、金融機関へのアクセス、貧困…。 日本でもファイナンシャルリテラシーが問題になっていますが、それ以前というレベルの人たちが世界にはたくさんいるのです。 しかし、技術革新が進み、「Web3.0」の時代が見えてきたとき、世界人口の5分の1の人たち(約16億人)が、経済システムの中に入れるようになるかもしれない、と大きな可能性を感じたんです。 以前、伝統的な金融機関に勤めていたサミさんは、経済的に除外されている人たちの「信用を担保する」のが金融機関である以上、この社会問題を解決することは不可能だろうと考え、ブロックチェーン技術に目を向けました。 2017年ごろから暗号資産の一つでもあるビットコインが日本でも大きな話題になったのは記憶に新しいところです。 伝統的なお金は国が「信用を担保」していますが、ビットコインはコンピューターが「信用を担保」するようにできています。 「信用を担保」する作業が人間からコンピューターに移行することで金融コストが激減するメリットがあると言われていました。 しかし、ふたを開けてみればビットコインも取引コストが高く、その上環境負荷が多大なことが浮き彫りになりました。問題解決の糸口が見つからず、諦めかけていた時に「ヘデラ・ハッシュグラフ」という第3世代ブロックチェーン技術に出会いました。 1秒に数十万回もの取引が可能な上に環境負荷がほぼなく、取引コストが1円未満に抑えられる技術です。1日24時間365日稼働し、書類や店舗、スタッフも不要な金融機関のようなものでしょう。 取引コストが1円未満になったことで日給100円未満の貧困層をも世界経済圏に取り込むことが可能になりました。 今ではインターネットやスマホがなくてもお金の送金が可能になるシステムもアフリカなどで稼働しています。 この「ヘデラ・ハッシュグラフ」という技術を根幹から理解するために2018年に初期メンバーとして加わり、アジア統括責任者に着任しました。