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中野区民にとっての「中野サンプラザ」は、エジプト人にとってのピラミッドである

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アーバン ライフ メトロ

東京は「ローカル」の根深い課題が潜む街

 中野サンプラザ(以下、サンプラザ)の再開発のゆくえについては、中野区民として生まれ育った僕(影山裕樹。編集者、千十一編集室代表)自身にとって人ごとではありません。 【画像】見る方向によって姿形を変える「中野サンプラザ」(10枚)  コロナの影響もあるのか、「東京都中野区、中野サンプラザ再開発の事業者選定延期」(『日本経済新聞』2020年6月18日付)という記事が出ていました。サンプラザが本当になくなってしまうのか、いや、やっぱり残るのかどうかにやきもきする毎日です。  コロナによって僕たちの日常生活がどのように変わるのか、あるいは変わっていないのかについて先日「note」に書いた記事「コロナ後のローカリティはどうなっていくの?」(2020年4月14日付)が割と反響があったので、僕が考える東京の「ローカル」について、改めて説明したいと思います。  一般的に「ローカル」という言葉が語られるとき、観光や移住といった東京目線から「ローカル」(地方)が消費財として捉えられています。さらに地方に暮らす人の多くがマスメディアのイメージを内面化し、消費される側として振る舞いがちです。  もともと地縁の希薄な暮らしをしてきた、東京生まれ・東京育ちの人にはあまり実感がないかもしれません。ですが、大人になってまちづくりや全国各地の地域プロジェクトに関わるようになって、東京こそが「ローカル」の根深い課題が潜んでいる街と僕は感じるようになりました。

僕の「ローカル」の定義

 僕が定義する「ローカル」とは、「ただ、そこに暮らしている」という意味です。  つまり原則として、「ローカル」に暮らしていない人はこの世に存在しないということになります。でもそれに気づいていない人が多い――つまり、中野区に暮らしているのに「東京」に暮らしていると思っているのです。  東京に暮らす人の多くは街の自治会に顔を出さず、お祭りにも参加しません。会社と家の往復だけ。たまの休みの日に、友達と遊びに繰り出すのが日常です。  彼らは、テレビで紹介されるおいしい飲食店や新しいショッピングモールを一視聴者として眺めるだけで、そこに本当に暮らしているという実感はないのかもしれません。  コンビニや駅などのインフラに頼りっぱなしで、地域コミュニティーに参加していないため、都市に暮らす人はみんな、コロナ以前からテレビやネットなどのメディア空間上で暮らしている、つまり「バーチャル人間」たちなのです。だからオンラインで遠隔の仕事をしても、違和感がそんなにない。

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