朝礼拝に座禅、運針、志望校選びで注目すべきユニークな学校文化
コロナ禍で情報収集難しく
入試広報のイベントとしては、他にも個別相談会や体験教室、入試対策講座と、様々なスタイルで機会が設けられています。しかし、今年は新型コロナウィルス感染拡大の影響で、説明会をはじめ、こうしたイベントが思うように開催できない状態になっています。 夏頃まではほとんどの説明会・相談会がオンラインで行われ、Zoomを活用して授業体験を行った学校もありました。冒頭でご紹介した女子学院の説明会も、例年とは異なり、土曜日の午前・午後に参加人数を絞っての開催を予定し、参加できない人たち向けには録画を動画配信します。 今年は、このような状況で受験生・保護者にとっては、学校の情報収集の機会が限られ、なかなか厳しい状況にあります。
学校文化は朝時間に表れる
<モリの目>(森上展安) タカの目さんの今回の数字は登校時間ですが、そのものが話題ではなく、女子学院の説明会が、日々の礼拝の開始時間に合わせて開催されることから、いわば学校文化を表象する説明会のあり方に注目されています。 良い所に着目されたと思います。学校文化は朝一番の行事に結構特色があります。キリスト教教育校は礼拝から始まるとすれば、禅の世田谷学園は座禅してから授業ということもあるようですし、豊島岡女子の運針もよく知られています。男子校ではカトリックの栄光が(朝ではありませんが)中間体操といって校庭に出て体操をやります。 学校は良い修正を身に着ける所ですから、日々繰り返し行うことは心身が自然に整えられるようになる良さがあります。
生徒が全力で取り組む文化祭、体育祭にも注目
もう一つ、学校文化がよく表れるのがお祭りですね。体育祭と文化祭はとりわけ特徴がよく出ます。 朝の行事が教員文化由来だとすると、お祭りは生徒文化ですから、公開行事を見ることで生徒文化が目に飛び込んでくるので保護者も見るとよいのはもちろんですが、やがて生徒になるかもしれない本人にとって何よりの「情報」です。 中等教育は人格形成が大きなウェイトを占めることは、発達段階として非認知能力が高められる期間であることと表裏を成しています。認知能力を伸ばすのは授業もさることながら(というのは、これからの授業はアクティブラーニングですから非認知能力も重要な要素になります)、やはり生徒同士が学び合い、協調し合うというクラブや行事を通して感得されるのが常でした。 実際に男子校の開成に代表される体育祭や麻布の文化祭などは名物行事といわれるだけに、 大変な精力をかけて行われますから見応えもありますが、何と言っても参加する本人たちの成長ぶりこそが頼もしいのです。